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2018.09.18
 
2019年度概算要求
空前の軍事費
 社会保障は抑制 ~大企業・金持ち優遇 
  各省庁の概算要求が8月末に締め切られ、総額102兆円となった。100兆円を超えるのは5年連続だ。社会保障費が18年度当初予算比2・5%増など厚生労働省の31兆9000億円が一番多いが、高齢化や保育園不足対策などもっと必要なのに、年金支給年齢引き上げや医療費や生活保護費の抑制などで伸びを抑えたのだ。

防衛費GDP比2% 
 防衛省は2・1%増の5兆3000億円、5年連続で過去最多。防衛費はGDP比1%以内という建前のため様々な増額隠ぺいの手法がとられている。米軍再編にかかる費用は額を明示しない「事項要求」で前年度と同水準だと2000億円超だ。数年にわたる分割払いで予算に計上する「歳出化経費」は2兆708億円に膨れ上がり、他の経費を圧迫して防衛省内でも不満が高まっている。

 こうした無理は主に米国製武器を安倍晋三首相がトランプ大統領に売りつけられたからだ。米国からの武器購入は、価格など一方的な変更が可能な仕組み(FMS)による。実際、当初1基500億円だったイージスアショアが1年で1000億円以上に変貌し、概算要求を押し上げた。

 一方、安倍政権は新防衛計画大綱の策定作業を年末に向けて開始し、中国シフトの空母や宇宙軍事技術開発など莫大な税金投入の道を進もうとしている。

 自民党は「防衛費GDP比2%」を求め、経団連も防衛産業のため全面的にバックアップだ。19年度防衛予算はこうした企みに道を開き、9条改憲の露払いになりかねない。

消費税増税の対策費 
 この過去最大の概算要求には、「別枠」として計上されていない巨額のバラマキが用意されている。消費税増税による消費需要冷え込み対策費だ。

 住宅や自動車などの減税による支援、クレジットカードへのポイント還元などである。14年の5%への引き上げの際は5・5兆円の景気対策費だったから、安倍改憲と自治体選・参院選のためにはそれを上回る富裕層消費向けのバラマキが用意されるだろう。

 「国の借金を減らす」はずの消費税増税のために、こっそり不要なバラマキを組み込む倒錯した予算だ。「次世代につけは回さない」などと国民に説教しながら消費税増税を強い、一方でトランプ氏と富裕層へは金に糸目をつけない安倍政権に、消費税をせめて5%に戻せと要求しよう。