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2018.11.06
 
内閣には発議権なし!
改憲議論の加速 国会議員に促す
「所信」で安倍首相 憲法に違反
臨時国会が開会

        
 第197臨時国会は10月24日開会した。安倍晋三首相は、衆参両院の所信表明演説で「新しい国創り」を掲げ、「戦後がそのまま置き去りになっている」と改めて「戦後政治の総決算」を表明し、改憲議論の加速を国会議員の「責務」と強調した。会期は12月10日までの48日間。

 安倍演説は、来年10月からの消費税10%実施、3年かけて65歳以上の高齢者の継続雇用の引上げ、幼児・高等教育の無償化を打ち出した。また、新たな在留資格制度を創設し、外国人労働者の受け入れのための出入国管理・難民認定法の改定にも触れた。だが、闇の中のままにある「森友・加計学園」問題には一切触れず、頬かむりを続けている。

 外交では、朝鮮、中国、ロシアとの関係改善を述べたものの、旧来の圧力による姿勢の転換は表明してない。

 改憲に執念を燃やす安倍首相は「新たな国づくり」を「改憲」によって成し遂げるため自らの思いを与野党の国会議員と国民に押し付けたが、極めて傲慢であり、憲法改正の発議権のない行政府の長としての発言は、憲法違反であり、許されることではない。

 公明党は改憲に今のところ慎重姿勢だが、予断は許されない。日本会議はじめ改憲派は「1000万署名」で草の根運動を展開している。3月14日には署名が1000万に達した記念集会で気勢を上げている。

 加えて、自民党内の改憲シフトも強化された。安倍首相は、10月2日に第4次安倍改造内閣を発足させ、16日に行った人事で、憲法審査会の幹事を総入れ替えし、与党筆頭幹事に自身に近い新藤義孝元総務相を配置した。

 また、自民党憲法改正推進本部長に側近の下村博文元文科相を充てる強行派の布陣で、改憲論議を一点突破で突き進むことが懸念される。自民党は補正予算成立後に、党の改憲案を「憲法審査会」に提案し、「広く議論を求める」としている。

 我々は、「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」が提起している「安倍9条改憲NO!憲法を生かす全国統一署名」(3000万署名)運動と、市民と野党の共闘を一層強め、改憲攻撃を打ち破らなければならない。

「国会開会日行動」
1200人が「9条壊すな」 
 臨時国会開会日の10月24日、衆院第二議員会館前で1200人が参加して、「国会開会日行動」が取り組まれた。「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」「共謀罪NO!実行委員会」が共催した。

 集会は、「自民党改憲案国会提出反対!辺野古新基地建設は断念を!共謀罪廃止!」のコールから始まり、決意と連帯の挨拶が野党4党などからあった。 立憲民主党の江崎孝参院議員は、沖縄知事選での玉城デニー氏勝利の感謝と決意を述べた。

 国民民主党の藤田幸久参院議員は「日本憲法を世界に広げていこう」と述べ、マレーシアのマハティール首相が国連で日本の平和憲法にならいたいと発言した事を紹介し、日本国憲法の重要性を改めて訴えた。

 日本共産党の小池晃書記局長は臨時国会で野党は結束して闘うと約束した。 社民党の福島瑞穂副党首は、「国民の生活に無関心の安倍政権退陣に保守の人とも手を組み頑張っていく」と決意を述べた。

 集会での発言は異口同音に、市民と野党の共闘が勝利のカギにあり、沖縄知事選に勝利した貴重な教訓であることに触れた。集会参加者も市民と野党が力を合わせて行動することを確認しあった。