「8月15日」は朝鮮半島が日本の植民地支配から解放された日・光復節だ。毎年、韓国では大きな催しが行われる。今年は安倍政権の韓国叩きの最中だけに、文在寅大統領の演説は世界から注目された。演説は安倍政権の横暴をたしなめ、朝鮮半島と東アジアの平和秩序構築への協力を呼びかける格調高いものとなった。
まず、朝鮮半島の融和
文大統領は、「朝鮮半島の非核化と平和構築に向けて最も重大な山場に来ている。南北米ともに朝米実務交渉の早期解決に集中を」と、6・30米朝首脳会談以降の協議促進を促し、朝鮮による最近の懸念すべき行動にもかかわらず、「対話ムードに揺るぎはない」と自信を示した。
そして「2032年にはソウルと平壌で南北五輪共同開催」を提唱。さらに「解放百年」の2045年には「一つの国ができるよう約束する」と明言した。
「統一の道が経済強国の近道であり、日本を乗り越える道であり、日本を東アジアの協力の秩序に導く道だ」「それぞれの体制を維持しながらも8千万人の単一市場を作り出せる」「互いの体制の安全を保障しながら、ともに豊かに暮らそう」と呼びかけた。
朝鮮半島の和平と統一という、今や安倍政権を除く世界中が望む歴史的事業を推進することこそ、東アジアの繁栄への道だという意志である。
そして日本国民にこう呼びかけた。
「光復は日本国民が軍国主義の抑圧から脱し、侵略戦争からの解放の日だ」「日本が隣国に不幸を与えた過去を省察しながら、東アジアの平和と繁栄を一緒に導くことを望む」「東京五輪は東アジアの共同繁栄の道に進む絶好のチャンスであり、世界の人々が平昌で平和の朝鮮半島を見たように、東京五輪で友好と協力の希望を持つことを願う」。
安倍政権の「報復」には、「日本の不当な輸出規制に立ち向かう」と宣言。そして「国際分業システムの中で、自国が優位にある部門を武器化すると、平和な自由貿易秩序が壊れる。先に成長した国が後から成長する国のはしごを外してはいけない」「今からでも日本が対話と協力の道に出れば、我々も喜んで手を握る」と呼びかけた。
日本のメディアと政府
しかし、河野太郎外相は徴用工問題での提案がないと切り捨て、メディアは「経済戦で苦しいので対話路線に転換」とか、「南北統一の夢を叫ぶ」など相変わらずの反応だ。
しかし、文政権は当初から対話を求めていた。徴用工問題では6月から妥協案を示し、その案も「唯一の解決法だと主張したことはない」(文大統領)にもかかわらず、対話を拒否して「無礼者」と罵声を浴びせたのは日本の外相だ。「日本を乗り越える」というとメディアは反発するが、戦後「アメリカに追いつき追い越せ」と「経済成長」に走ったのはどこの国だったか。
なお、8月14日の日本軍慰安婦被害者を称える日では2万人が日本大使館前で抗議集会を開き、15日の光化門広場の「安倍糾弾市民行動」主催の「ろうそく文化祭」には、10万人が参加、安倍政権糾弾の声をあげた。 |