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  3. 2020.01.14
 
中東派兵閣議決定
憲法違反だ!!
戦闘の恐れも ~調査・研究が派兵の「根拠」ハドメなくなる~
 米国の「イラン核合意」離脱によって中東の緊張が高まる中、安倍内閣は12月27日、防衛省設置法の「調査・研究」を根拠に中東派兵を閣議決定した。その後、年明け3日には米軍がイラン革命防衛隊の司令官を空爆で殺害し、米国とイランの緊張関係は沸点に達している。

 派兵の内容は、護衛艦1隻とアデン湾で海賊対処活動しているP3C哨戒機1機、自衛隊員260人規模、活動範囲は、ペルシャ湾やホルムズ海峡は除外、オマーン湾やアラビア海北部、アデン湾とし、期間は1年、活動終了の際は国会に報告するとしている。

 米国がホルムズ海峡の航行安全のため、日本を含む同盟国に有志連合方式による派兵を求めてきたのに対し日本は、イランとの伝統的な友好関係に配慮し、米国の有志連合には参加せず、今回の決定とした。

 安倍政権は、閣議決定によって国会関与の印象付けを装っているが、「調査・研究」目的であっても自衛隊の活動は自衛隊法によって規制されている。「調査・研究」を法的根拠に派兵することが可能であるなら、歯止めはなく、恣意的な派兵に道を開くことになる。

 今回の派兵が船舶の護衛と海域の監視活動が目的であることは明らかだ。しかも、不測の事態が起きれば海上警備行動を発動するとしている。海上警備行動や武器防護での武器使用が国または国に準ずる組織に対して行われれば、憲法9条(武力行使の禁止)に抵触することは明らかで、戦闘行為に発展する恐れすらある。

官邸前で抗議の声
 閣議決定が行われた12月27日早朝、首相官邸前では300人が、「国会の議論もなく閣議決定で派兵は許されない!」と抗議の声を上げた(写真)。

 「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」が呼びかけた緊急行動で、「自衛隊を中東に送るな!」などと書かれたポテッカーなどを掲げ、違憲の決定に抗議。何度も「自衛隊を中東に送るな」「違憲の閣議決定絶対反対」の声が官邸前で響き渡った。

 緊急行動には立憲野党から山岸一生衆院議員、福島瑞穂参院議員、井上哲士参院議員、市民団体からも千坂純・日本平和委員会事務局長、日本山妙法寺の武田隆雄師、オール習志野行動の宮川幸雄さんが挨拶した。