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押し返す春闘に |
団結こそ力 |
生活苦・労働苦を交流し
20春闘では経営側が労働組合を見下し、図に乗っている。「企業が終身雇用の保証書を持っている訳ではない」「年功序列賃金にこだわる理由もない」「成果主義への切り替え」「日本型雇用の見直し」などと言いたい放題。
経営側の思いは敏感に労働側に伝わる。トヨタ労組は「ベアの脱一律」を掲げた。トヨタは、18春闘で賃金引上げ回答を非公開にし、19春闘は回答だけではなく、要求すら非公開にした。
労働組合は団結こそ力だ。春闘の歴史は、産別共闘を土台に賃上げを勝ち取ってきたが、「交渉重視・個別交渉」に大きく変わった。2000年代の春闘相場をリードしたトヨタが、「いつまでもリード役と思われたくない」と回答を非公開とした。
今春闘ではトヨタの「ベアの5段階評価」に続き、第一生命、三菱UFJ銀行が「年功序列から仕事の達成度評価」への切り替えを表明した。
これは、経団連の『2020年版経営労働政策特別委員会報告』で中西宏明会長が表明している通り、「賃金引上げだけでなく、働きがいのある職場環境づくり」に追随するもの。つまり、年功序列賃金との決別、横並びからの脱却、脱一律・成果主義を20春闘の労使交渉の柱に据えた経営側にひれ伏している。
労働組合の対抗はあるのか。「賃上げの多様化を理由に、単組の個別判断を容認」(電機連合)、「交渉重視、月例賃金確保」(私鉄総連)など、先進国に大きく引き離された賃金水準を回復する大幅賃上げのスローガンはない。
2月17日に発表されたGDP(10月~12月期)は、年率換算でマイナス6・3%、家計最終消費はなんとマイナス11・5%と激減。満額獲得しないと生活改善できない。
その上、新型コロナウイルスの影響から春闘関連集会が相次ぎ中止になっている。25年前の阪神淡路大震災では賃上げ自粛、闘い方の後退という悪夢があった。経営側は機会を逃さず攻撃してくる。
生活改善のために職場や地域で生活苦や労働苦を交流し、政治課題も含め知恵を絞って運動を起こし、押し返す20春闘にしよう。
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