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  3. 2020.03.17
 
90メートルまで軟弱地盤
諦めるのは国だ 辺野古新基地
県は『変更申請』許可しない
 安倍政権は民意を踏みにじって辺野古新基地建設を強行しているが、沖縄県に設計概要変更を年度内にも申請する構えだ。米政権に追随し、既成事実を積み上げて県民・国民の諦めを狙う暴挙は許されず、暴露された軟弱地盤データ隠しの追及を含め政府を断念に追い込む闘いも正念場だ。

 沖縄県の玉城デニー知事は、辺野古新基地建設の賛否を問う県民投票から1年の2月24日、新基地は造らせない決意を新たにするコメントを出した。

 玉城知事はその中で県民投票を含めた建設反対の民意を挙げ、「県がこれまで主張してきた軟弱地盤の存在による工事の長期化や予算の肥大化についても政府自ら認めざるを得なくなり、辺野古移設では、普天間飛行場の1日も早い危険性の除去にはつながらないことも明らかになった」と指摘。

 「それにもかかわらず、なりふり構わず強引に工事を推し進める政府の姿勢は民主主義のあり方そのものが問われる」と厳しく批判した。

 さらに、「政府に対し、辺野古移設の断念と対話によって解決策を求める民主主義の姿勢を粘り強く求め、普天間飛行場の速やかな運用停止を含む1日も早い危険性の除去と同飛行場の県外・国外への移設を強く求めていく」と表明した。

 玉城知事の決意を支えているのは沖縄県民をはじめ全国各地の闘い、辺野古や安和桟橋ゲートに結集する人々の必死の行動だ。

 これまで政府・防衛省は裁判所まで使って工事を強行してきた。しかし、隠し続けていた建設予定地の軟弱地盤の存在が沖縄県民によって暴露され、設計変更に追い込まれた。

 その後、さらなる軟弱地盤の隠蔽も判明した。大浦湾の埋め立てで、護岸部にあたる場所で最大深度90㍍の軟弱地盤を示す新たな防衛省の資料が今月8日までに分ったのだ。

 しかもそれを隠すために、昨年9月の技術検討会で、防衛省が各委員に示したグラフは9個のデータが消され、グラフの説明文が上書きされていた。

 設計変更申請は安倍政権の底知れぬ隠蔽体質の上に出されるが、当初の工期8年・総工費3500憶円は、12年・9300億円に膨らんだ。玉城知事は変更申請を許可せず、完成はもちろん変更された計画のスタートも不明であり、諦めて撤退するのは安倍政権だ。

辺野古問題で意見書提出を神戸で署名スタート
 神戸市では2月23日、稲嶺進・前名護市長を迎えて「神戸市会に辺野古意見書提出を求める大署名運動スタートアップ集会」が市内で開かれた。

 議会に求める政府への意見書は、「いったん工事をやめ、政権は沖縄県と話し合うべき」というもの。150人が参加した集会は、新基地建設問題を他人事とせず市民に運動を広める決意で溢れた。