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  3. 2020.05.12
 
オンライン原水禁世界大会
命と環境守る連帯を  

多様な立場から平和を呼びかけ

 オンライン原水爆禁止世界大会が4月25日、「核兵器廃絶、気候危機の阻止と反転、社会的経済的正義のために」をテーマにニューヨークで開かれ、約1000人が参加し、youtubeで生放送された。

 今年は広島、長崎の被爆から75周年、第二次 世界大戦終結と国連結成75周年、核不拡散条約50周年、気候変動枠組条約会議(COP)の25周年の節目の年にあたる。

 原水禁世界大会は、4月下旬に開催予定だった核不拡散条約(NPT)再検討会議に合わせて、国連本部のあるニューヨークで開催準備を進めてきた。

 しかし、世界的な新型コロナ禍のため、NPT再検討会議は中止。大会を準備してきた日本の原水禁など3団体を含む国際NGOや個人が、インターネットを使った大会を呼びかけて開催された。

 大会は、「核兵器、廃絶のためのたたかいと現局面」と「行動と優先課題」の2つのパネル(討論者団)で行われ、日本被団協の和田征子事務局次長ら9人が発言した。

 行動と優先課題のパネルでは、アメリカの「貧しい人々のためのキャンペーン」のリズ・テオハリスさんが「保険に入っていないなど国民の約半数が貧困状態であり、富裕層や大企業に使われている税金を貧しい人々に回し、戦争経済から平和経済に転換を」と訴えた。

 イランの中東条約機構のイマド・キヤエイさんは、「中東非核地帯の実現プロセスの再活性化」を訴え、国際労働組合総連合のシャラン・バローさんは「新型コロナ感染で2億人の雇用が奪われ、2億5千万人が飢餓状態」「共通の安全保障とまともな雇用と所得、社会保障が求められている」と強調した。

 また、パネルとは別枠で原水爆被害者団体協議会の田中煕巳(てるみ)代表が「ヒバクシャ国際署名」の報告を行い、それを受けて国連軍縮部門トップの中満泉軍縮担当上級代表が「安全保障の中心に人間をすえなければならない」と発言。

 世界大会は「公正な世界、社会、気候を実現し、核兵器も戦争もない世界を」との声明を発表し終了した。