1. トップ >週刊新社会
  2. 今週の新社会
  3. 2020.06.23
 
米空母機の整備も
危険高まる ~オスプレイ木更津配備~   

兵器爆買いのシワ寄せ

 千葉県木更津市にある陸上自衛隊木更津駐屯地に、垂直離着陸機オスプレイV22が配備されようとしている。すでに東京の米軍横田基地には配備されている。現計画の完成形として、オスプレイ27機が首都圏上空を我が物顔に飛び回ることになる。

 木更津駐屯地では当初、オスプレイの修理整備を行うとされた。しかし、米兵器の爆買いで17機のオスプレイ配備先と想定された佐賀空港では、被害を恐れる漁民などの了解を得られない。

 そこで急浮上したのが、木更津駐屯地だ。経済の低迷が続く木更津市は昨年12月、5年間の期限付きで受け入れを決めた。今年5月には2機が山口県の米軍岩国基地に到着、木更津配備は時間の問題となっている。

 受入れのために木更津駐屯地には陸上自衛隊の新部隊、輸送航空隊が約430名で編成された。同部隊はオスプレイと大型輸送ヘリCH?47を運用する。

 一方、木更津駐屯地は当初日米の共同整備拠点で沖縄県普天間基地の米海兵隊所属機の整備とされ、能力は同時に3機程度とみられていた。

 ところが、先月防衛省は木更津市に新格納庫2棟の建設計画を説明。米軍から同時に7機の整備を可能にするよう要求され、3倍に能力を高めるとした。その中で23年以降、米海軍の空母艦載オスプレイの整備も予定されていることが分った。 
 防衛省はオスプレイの訓練について、現在配備されている大型輸送ヘリCH―47同様と説明している。そうなると図のように関山演習場(新潟県上越市、妙高市)、相馬原演習場(群馬県榛東村)、習志野演習場(千葉県船橋市、八千代市)、木更津駐屯地、富士地区演習場(静岡県御殿場市など)にまたがって飛行することになる。

 このようにオスプレイ配備には巨額の税金の費消だけではなく、広大な地域の日常生活に大きな影響を与えることになる。しかも米軍には日本の法律が適用されず、我が物顔に日本上空を飛び回る。

 木更津市の市民団体、「オスプレイ来るな いらない住民の会」は今月5日、新社会党も協力した配備撤回を求める署名1万7千筆を防衛省に提出した。行動には、立憲民主、国民民主、共産、社民の各党も参加した。