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  3. 2020.07.21
 
コロナ渦非正規 97万人減
雇用守る闘い急務 ~労働組合の価値今こそ~  

労働組合の価値今こそ

 新型コロナウイルスの感染拡大は雇用や保健医療体制の脆弱性など、社会の在り方やグローバリズムの問題を浮き彫りにした。政府は「新たな日常」への転換を強調するが、大企業の利潤を確保しようという悪あがきだ。焦眉の課題・雇用問題をまず取り上げる。

 新型コロナによる大規模な経済縮小の犠牲

「総がかり行動実行委」の緊急街宣」
ユニオンネット平和センター宮川敏一代表(左)
東京・新宿西口

となったのは非正規労働者であり、女性だ。

 総務省によると4月は非正規の職員・従業員数が前年比97万人減少、そのうち71万人が女性。コロナ休業要請、ステイホームに直撃されたホテル、飲食業、販売業などのサービス産業は女性非正規労働者に支えられている。学生アルバイトも直撃されている。

 OECDは、低所得者労働者は高所得者労働者より仕事が完全になくなる可能性は2倍になっていると指摘。女性の方が危機の影響を最も受けている産業部門で不安定な就業割合が不当に高く、自営業者と非正規労働者は雇用と所得の喪失の危機にさらされていると警告し、回復期に取り残される人々がないようにすることが不可欠と提言する(7月7日)。


 ILO204月~6月期は1910月~12月期に比べ世界の労働時間はフルタイム労働者換算で4億人分減少するとの見方を示し、OECD同様、不況の影響は女性労働者に不均等に大きく、さらに無償ケア労働の負担の不平等も悪化していると警告。

 その上で労働市場の成果がより公平・公正なものとなるよう不利な立場の脆弱な集団を守り、労働条件の向上図ることや、就労に関する権利の尊重と社会対話の強化などを訴えている。

 これらの課題解決には、労働組合が先頭に立たなければならない。断固とした運動と連帯、それに基づく交渉力の強化と、非正規労働者の権利擁護、最低賃金の大幅な引き上げ運動に全力を注ぐことが必要だ。