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  3. 2020.08.11
 
コロナ渦 教室は「三密」
少人数学級 今こそ実現                    
 新型コロナが学校の少人数学級編成を後押ししている。背景には、新型コロナ感染で「三密」対策が重要にもかかわらず、教室は「三密」の典型で放置できない状況がある

 722日の衆院文部科学委員会で、公明党の浮島智子議員が30人以下学級を求め、共産党の畑野君枝議員も「骨太方針2020」で検討するとした「少人数指導」と少人数学級の関係をただし、少人数学級を求めた。

 また、「三密」の現状を改善するために、知事会や市長会、町村長会の地方団体が68日、連名で財務省と自民党に対して「新しい時代の学びの環境整備に向けた緊急提言」を提出し、感染症の再拡大事でも教育活動の継続と学びを保障するため、少人数学級とそれに対応できる教員の確保を求めた。

 一斉休校明けには午前・午後など、学級人数を半分に分けて授業を再開し、少人数学級の利点を体験した。しかし、その後は40人学級に戻り、学習の遅れを取り戻そうと、夏休みの短縮や土曜授業など、生徒も教員もきりきり舞いしている。

 そのため、乾彰夫東京都立大名誉教授や内田良名古屋大准教授、前川喜平元文科事務次官ら「少人数学級化を求める教育研究者有志」12名が、安倍首相や萩生田光一文科相宛に、少人数学級と豊かな学校生活の保障を求める1万名目標のネット署名を715日から始めた。

 署名は、早急に30人学級、その後速やかに20人程度の学級への移行を実現と、授業を詰め込み過ぎず、仲間との学びと豊かな学校生活の保障を求める。

 また、「ゆとりある教育を求め全国の教育条件を調べる会」の「感染症対策とゆとりある豊かな教育のために少人数学級制の導入を」という提言では、感染症対策には現在の40人学級における生徒間の距離を2倍にすることが必要で、そのための20人学級編成には10.8万人~12.5万人の教員増が必要で、その人件費は86009900億円と試算している。

 まさに先進国の多くが行なっている少人数学級の教育環境がそこにある。日本の教育環境を世界標準に持っていく絶好の機会だ。

 

 「少人数学級化を求める教育研究者有志」1万名目標署名のURLはこちら
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