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2015.03.03
戦後70年談話
歴史修正主義許さない運動を




 安倍晋三首相が出そうとしている「戦後70年談話」が、「村山談話」との関係で問題になっている。問われているのは、歴史修正主義に基づく「談話」を出させない国民一人ひとりの歴史認識と、憲法が掲げる平和をつくる闘いである。


 「本年は終戦から70年という節目の年に当たります…この機会に、満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び、今後のあり方を考えていくことが、今、極めて大切なことだと思っています」
 これは天皇の新年の「お言葉」の一節で、「満州事変」に触れたことでも話題を呼んでいる。
 『週刊文春』1月15日号は宮内庁関係者の言として、「安倍晋三首相が、今年8月の終戦記念日に発表するという『安倍談話』もご心痛のタネではないか」と書く。「新談話検討のため、安倍首相は3月にも有識者会議を設置する見込みだが、内容によっては近隣諸国の反発も考えられる。注目は、村山談話を継承するかどうか」とも指摘する。


 反省を実践したか


 「村山談話」は、「国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えた」とし、「痛切な反省の意を表し、心からのお詫びの気持ちを表明」する。村山談話は安倍首相ら歴史修正主義者から攻撃されているが、問題は「多大の損害と苦痛を与えた」人々に、村山内閣はじめ歴代政府が具体的にどう償ったかだ。従軍慰安婦問題が象徴的で、民間の「アジア女性基金」創設で国の謝罪を回避した。自社さ政権の限界と言えばそれまでだが、談話の趣旨を真摯に実践したとは言えない。
 在日韓国民主統一連合の宋世一副議長は、次のように言う。
 日本政府は、従軍慰安婦問題について「河野官房長官談話」、全般的な侵略・植民地支配の問題では「村山首相談話」で立場表明はした。それ自体はよいが、そうした事態を生みだした韓日条約の見直しまでいっていないので非常に効力が弱い。あまつさえ安倍政権はこれらの談話は踏襲すると繰り返しながら、河野談話の見直し作業をし、侵略の定義は国際的に定まっていないとして村山談話の趣旨を揺さぶる。


 日韓条約再締結を


 今年は、日韓条約締結50年でもある。宋さんは、締結の経過に触れ、「破棄して結び直す。朝鮮半島の分断に力を与えるような中身や侵略戦争・植民地支配を正当化し、賠償・補償の責任を白紙化するようなものは取り除き、過去の歴史清算もきちんとし、正しい歴史認識が持てるような条約を結び直すことが本質的に大事だ」と述べる。
 宋さんと安倍首相の認識の隔たりは、埋めようがない。われわれは、平和憲法を守り、その理念の実現をめざす立場から、宋さんの言葉を深くかみ締め、闘いを進めたい。



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