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2015.05.05
国会議員の発言封じ
憲法否定はここまできた



 自民党の憲法否定は51条「両議院の議院は、議員で行った演説、討論または評決について、院外で責任を問われない」にも及んだ。福島瑞穂参院議員が予算委で使った「戦争法案」という言葉を「不適切」と削除・修正を求めている。


 経過はこうだ。福島議員は4月1日の参院予算委で安倍晋三首相に質問した際、与党が協議中の集団的自衛権行使ための関連法案について「安倍内閣は14から18本以上の戦争関連法案を出す」などと追及した。 安倍首相は、「レッテルを貼って議論を矮小化していくことは断じて甘受できない」と反論。福島議員はさらに「戦争ができるようになる法案だ」と追及。自民党の岸宏一予算委員長はこれを受けて「不適切と認められるような言辞があったように思われる。理事会で速記録を調査の上、適当な処置をとる」と述べた。
 そして、自民党の堀井巌予算委理事が17日に福島議員と面会して「戦争法案」の「戦争関連法案」への修正、福島議員が政権を「鉄面皮」と糾弾した発言も削除を要求した。福島議員はその場でいずれも拒否した。


 三者の連携プレー


 福島議員は2月の参院予算委でも「戦争法案」という言葉を使って質問しているが、この時は自民党から修正要求は出ていなかった。
 だが、自民党の予算委委員は福島質問について「再三『戦争法案』と決め付けており、レッテル貼りだ」と問題視していたと伝えられる。福島議員の追及→安倍首相の反論→岸委員長の発言→堀井理事の修正・削除要求という流れが、仕組まれた連係プレーであることは間違いないだろう。そして自民党は昨今、テレビ局に対する聴取を行うなど放送・メディアへの介入の動きを強めている。
 戦前の帝国議会は1940年、立憲民政党の斎藤隆夫が衆院本会議で行った「反軍演説」の速記録を削除した上で斎藤を衆院から除名した。議会は斎藤に対する言論弾圧で言論の府としての自らを否定し、翼賛議会への坂道を転がり落ちていったのである。我々は、この歴史をしっかりと肝に銘じなくてはならない。
 福島議員は4月24日国会前で行われた戦争法案反対緊急行動で、「修正・削除要求は言葉狩りだ。私が応じたら一般の社会でも戦争法案という言葉を使えなくなる」と断固拒否する決意を表明した。当然である。


 本質隠す言い換え


 福島発言に対する自民党の修正・削除要求は、「戦争法案」という言葉が本質を突いているゆえに「不適切」と決め付け、その本質を隠して成立を強行したい意図が露骨に現れたものと言うべきだ。
 安倍政権は、「自衛隊海外派兵恒久法」を「国際平和支援法」の名称で提示したが、同法の「外国戦争支援法」の本質隠しであり、「重要影響事態安全確保法案」は「地球の裏まで派兵法」の言い換えだ。



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