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2016.08.09
71年目「8・15」
「いつか来た道」には戻らぬ
 

 
 「8月15日」は日本がポツダム宣言を受諾し、無条件降伏をした日である。アジアで2000万、日本で310万の尊い人命を奪ったアジア・太平洋戦争の終結から今年で71年が、その反省と教訓が無に帰す事態に直面している。


 自衛の名の戦争


 1931年9月、関東軍の南満州鉄道の爆破を突破口に日本は足掛け15年にわたる暗く長い戦争の時代に突入した。日本軍は、「帝国自存」を旗印に中国東北部を一気に占領、さらにアジア地域に兵を進めた。その基底には「大東亜共栄圏」を掲げる戦争の正当化があった。
 そして41年12月、日本は米英に宣戦を布告、その宣戦詔書には「自存自衛の為」とあった。日本国民は「一億火の玉」と化し、マスコミ界、教育界もこぞって侵略戦争を後押し、戦争に異議を唱える者や非協力的な者は「非国民」とされた。
 日本国民は45年8月15日、戦争が終わったことを「玉音放送」で知らされた。その敗戦から71年。戦争の反省からもたらされた日本国憲法による平和と民主主義は今、崖っ淵に立たされている。「改憲」が具体的な政治日程に上るという、かつてない事態を迎えているのである。


 改憲の本丸9条


 自民党と安倍晋三首相が進める「改憲」の内容は、これまでの経過を見れば一目瞭然だ。第一次安倍内閣下の06年12月に「第二の憲法」といわれる教育基本法を改悪し、条文に「公共」「伝統」「道徳」を散りばめた。
 第二次安倍内閣では13年12月に「特定秘密保護法」制定を強行。第三次安倍内閣は14年7月に憲法9条の解釈改憲を進め、集団的自衛権行使容認を閣議決定した。さらに15年9月には新たな安全保障法(戦争法)を強行した。今や日米ガイドラインによる日米共同軍事訓練は常態化している。
 また、国家権力は「中立・公正」を口実にマスコミと教育に介入する。平和のための活動に「売国奴」と罵声が飛ぶ時代となった。沖縄の辺野古新基地や高江のヘリパッド建設では、反対運動に対する弾圧が圧倒的な官憲によって公然と行われている。さらに深刻なのは、暴走する安倍政権の支持率が50%台を維持していることだ。


 闘いの共有化へ


 今年の「8・15」には特別の意味がある。先の参院選で何らかの改憲に賛成する衆参両院の議員数は3分の2を超えた。憲法9条の改憲に賛成する政党は過半数の議席を得た。
 改憲・戦争か、それとも護憲・平和か、その攻防はいよいよ激化する。この攻防に勝つ道は、戦争法に反対して闘った市民・労働者の全国運動の教訓をさらに広げることである。
 また、確実に成果を上げ始めている格差と貧困・戦争に反対する全野党による国政や首長選挙での共同選挙運動の発展・強化である。「いつか来た道」に戻らないために、この道をしっかり進もう。



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