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2016.01.12
16年度予算案
ばらまき・軍事優先・無規律
 

 戦争参加法を高圧的執念で強行成立させた安倍自公政権は、改造内閣の「基本方針」で「一億総活躍社会」「世界の中心で輝く日本」を掲げた。2016年度政府予算案は、この方針に沿った参院選向けばらまきと軍事・外交優先の予算だ。


 一般会計96兆7218億円は過去最大の当初予算額で一対の15年度補正案3兆3213億円と合わせ100兆円を超える。参院選用ばらまきと対中国の軍事・外交路線が、財政の無規律な膨張を招いている。


 消費税が支えの税収 


 消費税収入は17兆1850億円を計上し、通年税率8%となった昨年度17兆1120億円からさらに730億円増える。総税収の30%を占め、庶民犠牲の税収構造が続く。10%への引き上げなどとんでもない。
 法人税と所得税の増収も見込み、新規国債発行が減ると自賛する。だが人口減少でのゼロ成長・マイナス成長時代が迫り、財政再建に残された時間は少ない。


 参議院選へばらまき


 ばらまきの象徴が「アベノミクスの果実の均てんによる消費喚起・安心の社会保障」という奇妙な名目での1人3万円の一時金支給だ。補正予算で低所得の年金受給者約1130万人に計3390億円を計上した。TPP対策名目の農業基盤整備費用もばらまき色が濃厚だ。
 安倍政権で大きく復活した「公共」事業への財政投入も、補正で約6000億円、16年度予算で約6兆円と続く。


 軍事・外交優先露わ


  軍事・外交優先の姿勢は露骨だ。 ▽防衛(軍事)関係予算は4年連続増の5兆541億円で当初予算として初めて5兆円の大台に乗せた。補正の979億円を合わせ計5兆1520億円に達する。「南西地域の島嶼防衛」「弾道ミサイル攻撃への対応」を掲げるが、中国に対抗した軍備拡大競争に陥っている。
 また、財政制度等審議会でさえ「縮減を図る必要がある」とした在日米軍への思いやり予算も増額した。そもそも思いやり予算の協定上の義務はないのだ。 広義の軍事費もある。情報収集衛星の開発・運用では、補正で追加50億円、16年度予算で142億円を計上した。
 ▽外交では政府開発援助(ODA)を17年ぶりに増額し5519億円に、外務省予算も11年ぶりに7000億円台にした。親日・知日派育成交流拡充拠出金を、昨年度28・8億円から今年度33・3億円へ増やす。


 社会保障抜本改革へ


 社会保障関係予算は、自然増を圧縮した4412億円増の31兆9738億円にとどまった。ひとり親家庭への児童扶養手当の増額などもあるが、抜本的改革にほど遠い。憲法25、26、27条を活かした「生涯を通じた公的な労働・生活保障」の観点から、「定額基礎年金による人らしい最低生活の保障」「大学教育までの教育の完全無償化」などの要求を掲げた運動を広げよう。



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