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2016.03.08
福島事故から5年
原発のない社会を創る
 

 
 経産省は高レベル放射性廃棄物を沿岸の海底下に最終処分することを検討し、適地を探すという。海底下いたるところプレートのせめぎあいで活断層や火山帯が走る沿岸に適地などあるはずもない。福島事故から5年、原発なき社会を創る。
 

 正常な使用済み核燃料であれ、再処理後のガラス固化体であれ、福島原発のデブリであれ、高レベル廃棄物を10万年以上にわたって漏れ出すことのないように処分できるところなど、陸にも海底にも存在しない。この事実だけでも、日本では率先して全ての原発を速やかに廃止し、原発なき社会を築く以外にない。


 地球温暖化対策


 福島事故を経験した国家として少しでも良識があれば、自然エネルギーの活用に全力をあげるべきだ。自然エネ発電が足りない間は原発ではなく火力に依存すべきである。最新鋭の火力であれば、効率を上げて二酸化炭素の発生を大幅に減らすことができる。
 二酸化炭素を更に減らすには、荒地の緑化や熱帯雨林の再生や藻類の活用等で天然光合成を促進することである。光触媒を開発して水の分解で水素を作り、二酸化炭素と反応させて化学品原料や燃料を生産する人工光合成も早晩可能だ。当面は海底に地下貯蔵する方策もある。
 だが、安倍政権は温暖化対策に原発を推進するという。原発で発生する熱エネルギーの7割は海水を昇温するのに使われていることすら知らないらしい。
 

 風力発電を軸に


 自然エネルギーほど安全で、全面自給できて、長期的に安価なものはない。しかも風力や地熱や水力などは、日本こそ周辺の海洋も含めて世界で最も恵まれている。日本の洋上を主とする風力資源は20億KWもある。低周波音波の被害は住居から一定の距離を取るだけで防止できる。現在の電力10社等の発電能力は2億KWであり、風力と水力(揚水式を含む)とだけで全電力をまかなうことも決して難しくはない。これに太陽光や地熱やバイオマスを加えて、国の姿勢次第では原発の全廃などすぐにできることだ。
 世界で昨年に新設された風力発電は6300万KWと過去最大となり、全発電能力は原発を5000万KWも抜いているのに、日本の風力は新設も発電能力も20位前後で、微々たるものだ。デンマークの40%を筆頭に、電力需要の20%以上を風力でまかなう国がいくつも現れている。風力をはじめ自然エネ発電こそ国をあげて全力で推進すべき課題である。
 ところが自民党政権は従来からそれを怠ってきた上に、安倍政権は2年前からさらにブレーキをかけてしまった。
 独占資本の目先の利潤を諸国民の命と安全の上に置き、原発をベースロード電源と位置付け、再稼働・使用年数の延長推進と合せて、武器と絡めた輸出を促進する安倍政権を速やかに退陣させるほかに道はない。




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