参議院選挙はいよいよ最終盤を迎えた。最大の焦点は「改憲議席阻止」だ。1人区32全選挙区で「野党統一」が成立したのは憲政史上初めてである。これを支えた多くの仲間たちの「思いと努力」に新社会党も最後の踏ん張りで応えよう。
戦争で平和創る?
今回の参院選には“改憲勢力に勝つ”の一点しかない。そのために戦争法廃止を求める野党各党と市民団体との共同が実現し、32の1人区で統一候補を擁立することができた。
憲法上できるはずのない集団的自衛権の発動である安保法制の強行可決により、日本はいよいよ「戦争のできる国」へ決定的ともいえる舵を切った。国民の大多数の声をあざ笑うかのような暴挙によって、この国の民主主義は戦後最大の危機に直面している。安倍政権は、戦後営々と平和と民主主義を築き上げてきた人々の思いを真っ向から否定する。
安倍首相がめざすのは憲法を「改正」し、戦争によって「平和」を獲得しようとする「積極的平和主義」という軍事主義の上に構想される「平和」である。
支持をからめとる
貧困が日本社会の大きな問題になっている。フルタイムで働いても生活保護以下の収入しかないワーキングプア、奨学金という名の学生ローンによって大学卒業とともに300万円もの借金を背負う若い労働者も珍しくないといわれる。
「子どもの貧困」「老後破産」など、これほどまでに「貧困」問題が深刻な事態にあるのはかつてないことである。それは、持つ者と持たざる者という階級社会の根本的矛盾が国民生活に直接影を落とすようになっているからであり、人々が闘い取ってきたセーフティネットがズタズタにされた結果である。
第二次安倍政権が発足し3年余が経過したが、アベノミクスの下で進行した異常な円安・株高、労働法制の改悪などによって日本経済と国民の暮らしは危機の淵に立っている。
そうした矛盾を覆い隠すため安倍首相は、「一億総活躍プラン」を掲げる。最賃引上げや同一労働同一賃金など、労働者の切実な要求に応えるかのようなポーズをとることで、国民の支持をからめとろうとしているのだ。
投票箱閉まるまで
安倍首相の本音は改憲である。昨年9月19日の戦争法強行後、安倍政権は国民の批判をかわすためにアベノミクス第二弾に逃げ込んだ。しかし、3年余が経過して、アベノミクスは完全に破綻し、国民はその本質を見抜きつつある。だが、公示直後の新聞各紙には「改憲勢力3分の2をうかがう」の大見出しが躍った。私たちの闘いが不十分ゆえの情勢だ。
改憲勢力に3分の2を許し、原発と貧困、戦争へ暴走を許すのか、新しい社会への門前に立つのか、残り数日の闘いが歴史の分水嶺となる。7月10日、投票箱が閉まるまで勝利のため闘い抜こう。
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