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2017.07.04
臨時国会に「改憲案」
野望打ち砕く共同″\築を
 

 
 安倍首相は6月24日、神戸市で「自民党の改憲原案を臨時国会が終わる前に衆参の憲法審査会に提出したい」と言明した。早ければ来年にも発議・国民投票にかけ、20年には施行する道に踏み込んだ。安倍首相の強引な態度をどう見るか。


 安倍首相の案は、9条1項、2項はそのままにして、自衛隊の存在を明記するという奇手である。
 自民党内の議論は6月22日の改憲推進本部で始まった。多くの異論が出た。自衛隊出身の議員は「憲法に明記して自信と誇りをもって任務遂行できるようにしてほしい」と賛成したが、「エモーショナルなものではいかがか」という疑念も多かったようだ。
 「年内に自民党としての意見集約」をし、「18年通常国会が終わるまでに発議できればベスト」と、保岡興治推進本部長が集約した。24日の言明はこの集約をも超えたものだ。


 無理を承知で突撃


 与党内には20年と期限を区切ることへの疑問もあるが、安倍首相の構想で進めば、自民党案がまとまったら、秋の臨時国会で憲法審査会に提出し、他党と擦り合わせして採決する(おそらく公明、維新も合意)。
 解散・総選挙となるかは不明だが、18年夏には国会発議。18年秋までには実施される総選挙ないし19年7月参院選と同時(?) に国民投票。そして20年施行ということになる。
 この構想は無理がある。第一に整合性などお構いなしで憲法の権威が地に落ちる。しかし「戦力はこれを保持しない」と謳う現憲法でも「自衛のための必要最小限」として自衛隊は合憲とされ、今では集団的自衛権行使まで「必要最小限」で押し切った。「反知性主義」に支えられた安倍政治、「整合性など何のその」と突撃するつもりだ。
 第二の無理は安倍政権の体力だ。加計問題など安倍一強への体制内部の反発も高まっている。解散風が遠のいたのも3分の2再確保への不安があるからだ。しかし不退転の決意であることは間違いない。自公維だけで突破できないなら、「小池新党」「民進分断」という援軍も控えさせている。


 近隣の危機に乗じ


 そして「お試し改憲」を飛ばして正面突破に出た背景に、朝鮮危機がある。
 政府は6月23日から北の「ミサイル攻撃避難方法」をテレビで30秒間を2週間流している。全国紙と地方紙にも広告。戦時体制への「擦りこみ」は巧妙だ。
 韓国の文在寅大統領は、北との話し合いに努めているのに、安倍首相は近隣の危機を最大限利用して野望を達成しようとする。国民投票で否決されたら立ち直れないことを承知で突破を図る敵を侮ってはならない。
 野望を打ち砕くために、総選挙と19年参院選・憲法闘争を一体のものとして、選挙区の野党一本化と、衆院ブロック比例、参院比例における自由党、社民党などのオリーブ方式の共同を実現しよう。




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