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2017.11.14
真の「働き方改革」
8時間労働で食える賃金こそ
  

 安倍政権は、経営者が労働者を「いつでも解雇、いつでも雇用」でき、経営の調整弁にする「働き方改革」を進めている。規制の緩和と強化を一緒くたにした8本の法案を1本にした「働き方改革推進関連法案」の提出を目論む。
 特別国会は、11月1日から12月9日まで39日間の会期となった。「働き方改革推進関連法案」が提出されたとしても審議入りは困難と見られるが、年明けの通常国会では、対決法案になることが予想される。


 「改革」のウソ


 安倍晋三首相は、「世界で一番ビジネスがしやすい環境」推進のため、「岩盤規制」や「抵抗勢力」を「安倍のドリルで打ち砕く」などと呼号して労働法制の改悪を強行する。しかも、@地方創生A1億総活躍B働き方改革C人づくり革命などの美名のもとでの強行である。
 安倍首相が打ち上げ、9月にスタートさせた「働き方改革」は、「改革」とは名ばかりで、「人減らしによる生産性向上」がその本質だ。 
 安倍首相を議長とする「働き方改革実現会議」は、「同一労働同一賃金」の名の下に「基本給の格差を容認」するガイドラインを提示し、「長時間労働の是正」は、罰則付きとは言え、100時間の時間外労働を容認した。
 しかも、安倍首相がキーポイントとした「勤務間インターバル規制」は、「要員不足と人件費の負担」を口実に「努力目標」に骨抜きにされた。建設、運輸、研究などの分野は除外されたまま、経営側の意図だけが取り込まれたのである。


 真逆を一本化し


 「働き方改革実現会議」は、昨年9月27日から本年3月28日まで10回を数え、12項目からなる「働き方改革実行計画」をまとめた。
 厚生労働省は、「実行計画」をベースに7法案をまとめ、一昨年の国会に提出され、一度も審議されなかった「残業代ゼロ法案」と合わせて「働き方改革推進関連法案」の一括法案として国会に提出する方針だ。
 だが、「関連法案」に盛り込まれた、残業代ゼロ制度、残業時間の上限規制、同一労働同一賃金の3つは、目的も、対象とする労働者の立場も全く異なる。
 残業代ゼロ制度と残業時間の上限規制は真逆の内容であり、同一労働同一賃金は、正社員と非正規の格差をなくすのがそもそもの目的であり、残業代ゼロや上限規制とは性格が違う。相反する法案や性格の違うものを一本化する狙いは、審議時間の短縮だ。残業代ゼロ制度への批判を薄める思惑も透けるというよりも、露骨だ。
 こんな傲慢かつ乱暴、労働者を馬鹿にした安倍政権のやり方を許すことは絶対できない。労働者と野党の協力で法案提出を阻止するほかない。労働基準法が定める1日8時間働けば生活できる賃金こそ真の働き方改革であり、その実現が求められるのである。



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