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2017.12.19
特別国会開幕
「森友疑惑」は一層深まった
  

 第195特別国会は12月9日閉会した。「森友・加計」問題を巡って安倍晋三首相は「この国会でも丁寧に説明した」と言うが、共同通信が今月初め実施した世論調査では「(首相)は十分に説明していない」が75・0%に上った。


 会計検査院の報告


 「森友学園」への国有地の8億円値引き売却について、国などの会計の妥当性を調べる独立機関・会計検査院は11月22日、「根拠不十分」とする報告書を公表した。 国は問題の土地を、鑑定価格9億5000万円から地中のゴミ1万9000トンの撤去費用として8億円余りを値引きし、1億3000万円で売却した。
 しかし、会計検査院は報告書でゴミの量について、国の算定を3割〜7割下回る6196〜1万3927トンと試算。撤去が必要なゴミの深さ、混入率、処理単価についても疑問を呈した。


 異例続きの手続き


 売却の手続きは異例だらけだ。まず、国有地売却は財務局の所管なのに撤去費の算定は大阪航空局にやらせた。分割払いでの売却も異例。近畿財務局から鑑定依頼を受けた不動産鑑定士の鑑定書は本来、価格決定を担当する統括国有財産管理官が内容を審査し、予定価格を決めるのが基本。しかし、統括官は調査書作成を「失念した」と説明しているが、余りにも不自然だ。
 こんな重要な案件を、通常のルールを欠いたまま「売却価格」を決定するなど正に「異例」だ。誰が考えてもおかしい。何らかの指示があって調書を作らなかったと考えるのが自然ではないか。


 昭恵氏から「神風」


 なぜ、こんな不自然な国有地売却問題が起きたのか。2016年5月18日の前籠池学園理事長と財務省との協議での音声データ(政府が事実と認める)によって、大幅値引きに至る経緯が浮かび上がってきた。
 この協議の場で籠池氏は安倍首相の妻昭恵氏の名前を繰り返し、その後、値引き交渉が加速した。
 森友学園は、建設をめざした小学校の校名を「安倍晋三記念小学校」とすることを一時検討し、昭恵氏は名誉校長に就任した。籠池氏の要望を受け、首相夫人付職員が田村嘉啓・財務省国有財産審理室長に土地取引を巡って照会した。
 籠池氏が、昭恵氏の名前を推進力として利用しようとしたことは疑いない。籠池氏自身国会で「神風が吹いた」と証言している。


 「腹心の友」の疑惑


 昭恵氏の関与はな
かったのか。本人に説明を求めるしかない。また、虚偽答弁の疑いがある当時の財務省幹部らの証人喚問も必要だ。
 「加計学園」疑惑も全く解明されていない。安倍首相が「腹心の友」と呼ぶ加計理事長に便宜を図ったか。2人は特区審議中に計11回にわたりゴルフや会食を重ねている。不自然だ。年明けの通常国会で、「モリ・カケ」問題を徹底解明することが求められる。



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