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2018.01.30
春闘再構築へ
転換の2018年にしよう
  

 デフレ脱却に向けた安倍内閣の要請に対して、経団連は2018年「経労委」報告に「3%賃上げ」と具体的な数字を初めて明記したが、「官製春闘」は5年目を迎えた。労働運動の存在意義、可能性が問われている18年春闘である。


 いざなみ超え景気


 デフレ脱却のカギとなる春闘がいよいよ本格化する。アベノミクスによる景気拡大はいざなぎ景気を上回り、企業業績も好調で、18年3月期上期の経常利益は過去最高を更新しているといわれる。
 有効求人倍率は1・56倍で43年10カ月ぶりの高水準、正社員の求人倍率は1・05倍で集計開始以来最高の数字を記録している。
 一方、これだけ景気が拡大し、労働需給も逼迫しているにもかかわらず、賃金はなかなか上がっていない。日本銀行の物価上昇率2%達成にも距離があるのが現状だ。それだけに、18年春闘がこうした状況を打開できるかが最大の注目ポイントとなる。


 賃上げ「3%以上」


 この状況を受け、安倍首相は今春闘で「3%の賃上げが実現するよう期待したい」と発言。過去も経済界に賃上げ要請は行ってきたが、具体的な数値にまで言及したのは今回が初めてだ。それに止まらず、法人税で賃上げ優遇税制も導入する。安倍政権の「官製春闘」は、今まで以上に意味合いが強まっていると言えるだろう。


 連合は「例年通り」


 連合は「18春闘方針」で、15年から続く4%(うち定期昇給分2%)の要求水準を継続した。水準引き上げはせず、下請けを含めた中小企業の賃金底上げを後押しするなど格差是正に力を入れていくという。労働組合は例年通りの枠組みで迫力に欠ける。
 政労使一体となった生産性向上運動推進の枠の中にいる限り、賃上げを本格的に取り組むことはできないことは今回も明らになっている。


 春闘再構築に向け


 今日、「形を伴った」反撃がまだ少ないために自覚されていないが、客観的には反撃の条件が拡大している。しかし、協調的ナショナルセンターが主導しているために、全国・地域での共闘が発展しない主体の側の問題がある。労働運動が企業内に押し込まれ、分断され、ますます非戦闘的にされているのである。
 同時に、これまで日本の労働運動の主力をなしていた基幹産業労働者の減少、労働組合が結成されてこなかった第三次産業などでの労働者の増大、そして、非正規・不安帯雇用労働者の激増がある。ここでは、不満がもっとも高いにもかかわらず未組織のまま放置されている。
 したがって、この局面を打開するためには階級闘争の原点に立ち返り、地域・正規・非正規、官・民を超えた労働運動の再建に取りかからなければならない。
 「労働法制改悪に反対する全国キャラバン」もある。18年春闘でその足がかりを準備しよう。



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