安倍政権下の9条改悪発議を許すなと、昨年9月の「キックオフ集会」を皮切りに全国で「統一署名」が取り組まれ、大きく広がっている。新社会党も5月3日の中間集約に向けて、独自で、また市民と野党の共同行動で全力を尽くす。
改憲発議させぬ!
自民党は今年の国会で改憲案を発議し、一気に国民投票に持ち込もうとしている。この発議を許さないことをめざすのが「安倍9条改憲NO!憲法を生かす全国統一署名(3000万人署名)」で、「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」が呼びかけた。
「市民アクション」は、今年5月をめざして3000万人の署名を集めることを目標に作家の瀬戸内寂聴さんら19氏が発足人となって立ち上げた。初めて「九条の会」も共闘に加わり、宗教界や、保守層といわれる人々も加わった幅広い運動団体である。
自民党の改憲日程
自民党の憲法改正推進本部は昨年12月の論点整理で、9条一、二項を維持、三項で自衛隊を追加、二項を削除する両論を併記。安倍首相は昨年5月に二項維持・自衛隊加憲を提唱したが、石破茂元幹事長らは12年の党改憲草案に沿って二項削除を主張している。
安倍首相は、「自衛隊の任務や権限に変更が生じることはない」(昨年11月21日の衆院本会議)と言うが、憲法に自衛隊を明記すれば、2項の「戦力の不保持」と矛盾し、2項が空文化することになり、自衛隊は9条の縛りから解放され、海外での無制限な武力行使に道が開かれることになる。
政府内では、来年は4月に統一自治体選と天皇退位、5月の新天皇即位、7月に参院選と、重要日程が続き、それまでに国民投票を終える方針が有力だ。そのため早ければ
6月20 日までの今国会、遅くとも秋の臨時国会で改憲を発議し、来年3月までの国民投票を目論む。
現在の衆院憲法審査会は50人の定数中、自民党が30人、立憲政党は8人、その他が12人。参院憲法審査会は定数45人中、自民党24人。いずれも自民党は過半数で、単独でも両院の審査会で改憲案を可決できる。
衆参両院は自公与党とその補完勢力が優に議席の3分の2を超えており、改憲案は発議可能な状況にある。
発議阻止へ総力を
昨年9月の「全国市民アクション」のキックオフ集会以来、全国各地で「3000万人署名」が取り組まれている。新社会党も独自で、また市民と野党の共同行動など様々な署名活動を展開しているが、まだまだ取組みは遅れている。
3000万人という署名は、生半可な数ではない。しかし、「憲法決戦」といわれ、改憲発議が政治日程に上る政治情勢の中、誰よりも「護憲」を掲げてきた新社会党が、独自で、または共闘・共同運動を通じて推進の大きな役割を果たさなければならないことはいうまでもない。