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2018.05.15
『ウミを出し切る』
全ての責任は政府・与党に
 次々に噴出する疑惑・不祥事、安倍政権は腐敗の極みにある。「ウミを出し切る」という首相宣言の履行責任は政府・与党にある。それにもかかわらず、野党抜きで重要法案の審議入りを強行している政府・与党の責任は極めて重大だ。

審議強行の暴挙 
 野党6党(立憲、民進、希望、共産、自由、社民)が国会の空転打開のために一致して求めた4項目(▼麻生太郎財務相の辞任▼柳瀬唯夫元首相秘書官らの証人喚問▼財務省の決裁文書改ざんの調査結果の4月中の公表▼自衛隊「日報」問題の真相究明)はしごく当然のことだ。
 しかし、この異常事態を作り出した政府・与党の回答は、4月27日、衆議院本会議で「働き方改革」一括法案の審議入りの強行であった。それだけではない。賭博解禁と批判される極め付きの悪法である「カジノ実施法」を閣議決定・国会提出し、生活保護利用者だけに後発薬の原則使用≠義務付ける「生活困窮者自立支援法等改定案を衆議院で野党6党が欠席の中、自民、公明、維新などの賛成多数で可決し、参院に送付した。
 そもそも裁量労働制を巡るデータねつ造問題や野村不動産の過労自殺隠しなど、今まさに糾弾されている「改ざん・隠蔽の安倍政権の腐敗の極み」がこの「働き方改革」一括法案の策定過程の手法そのものではなかったか。容認できるものでは断じてない。

民主主義の危機 
 野党は4月26日から連休明けまで審議拒否を2週間余儀なくされることになったが、「戦略や展望がない審議拒否」(日経新聞/4月27付)とする懐疑的な声もあるが、これは与野党間の政治ゲームではなく、民主主義の根幹との認識が必要だ。
 いま起きている一連の疑惑・不祥事は、安倍政権の下で政権ぐるみの公文書改ざん・隠ぺい工作疑惑であり、国民にすれば見え透いたごまかしでしかない。自民党内からも疑問の声が出ている。政府と国会・国民との関係が異常事態に陥っているのだ。 「国会は審議するところ」という論理で審議拒否を批判する議論がある。審議するところだからこそ、審議の前提である公文書改ざんの真相が明らかにされなければならない。真っ当な手続きで提案されたものでなければ、法案ではない。
 加計問題では、柳瀬氏が記憶にない≠ニ強弁しているが愛媛県作成の文書で、面会を裏付ける政府内でのメールが発見されている。福田次官セクハラ問題も、「はめられたのではないか」という麻生財務相の暴言は、人権意識の欠如の露呈だ。議院内閣制における政治の責任が揺らいでいるのだ。
 防衛相が、存在していないとしてきた「日報」も、非戦闘地域の虚構工作だったのではないか。
 これらの問題で、政府・与党から責任ある回答がなければ審議できないとする野党要求は当然だ。