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2019.02.12
地球温暖化対策
COP24「合意」の実践へ急げ
  
 深刻な地球温暖化問題を打開するため昨年末開かれたCOP24では、実施指針である「ルールブック」を採択し、温室効果ガス削減へ踏み出すスタートラインができた。ここから本番であり、日本の環境行政も大きな責任が課されている。

パリ協定実現へ
 COP24(国連気候変動枠組み条約第24回締約国会議、ポーランドで12月開催)は、1992年に採択された「気候変動枠組条約」を出発点に、先進国の排出ガス削減目標を設定した「京都議定書」(97年) を引き継ぎ、すべての国の削減目標を決めた「パリ協定」(15年)の具体化へ開かれた。

 パリ協定は、あらゆる地球温暖化に対する総合的な世界的枠組みの目標を、産業革命以降の気温上昇を2度未満(できれば1・5度未満)に抑えるとし、その運用開始は20年とした。世界180カ国以上が批准、COP24はパリ協定を実現するルールを採択する会議であった。

最後のチャンス
 日本は15年に約束草案を策定、温室効果ガスを13年度比で30年度に26%削減を目標とした。だが、昨年12月に発表された温暖化対策国別ランキングでは56の対象国中、最低ランキングの49位で、削減目標にはほど遠いのが実情だ。

 パリ協定は、「温室効果ガス排出量の削減」や、全世界的な取り組みのための途上国への資金と技術支援、森林伐採によるCO2排出の防止など、あらゆる温暖化対策の総合的な「協定」である。

 会議はパリ協定のルール作りで難航し、閉会日を2日間延長した。延長戦になったのは、温室効果ガス削減目標に対し、先進国が統一基準を主張する一方、途上国は緩いルールの適用を求めたためだ。また、途上国への資金援助、削減目標の検証方法などの課題もあり、難航は予想されていた。

 このため、国連のグテーレス事務総長が会議中に「ルールの採択がなければ、温暖化を食い止める最後のチャンスを逃す」と警鐘を鳴らしたほどだ。

日本は率先して
 現状を打開するには、先進国、とりわけパリ協定から離脱を宣言した米国、遅れている日本等の反省が不可欠であり、途上国への資金援助や自国の削減目標の底上げなど、歩み寄りも絶対に必要だ。

 安倍首相は先日開会した第198通常国会の施政方針演説で、「4年連続で温室効果ガスの排出量を削減した」と胸を張ったが、パリ協定は30年度に13年度比26%削減としており、大きな隔たりがある。日本は今年、サミット(G20)の議長国であり、率先して削減目標を引き上げるなど、国際社会を牽引すべきだ。

 進行する地球環境の破滅的危機は、待ったなしだ。そのために、政府・自治体が取組みを加速・強化させることはもちろん、私たち自身も「脱炭素」の生活など、地球的に考え、足元から行動することが迫られている。

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