参院選を占う意味でも重要な統一自治体選は、後半戦の投票日まで5日となった。大阪と沖縄では衆院補選が同じ21日の投開票に向けて激戦が展開されている。新社会党は擁立した候補者全員の必勝へ、投票箱が閉まるまで総力を上げる。
前半戦の知事選挙では、立憲野党の弱さが明らかになった。革新系が自公勢力と拮抗してきた北海道知事選挙は、与野党対決で負けた。大阪の知事・市長ダブル選挙では、反維新で自公推薦候補を支援したが、府議選を含めて維新の圧勝を許してしまった。
薄い主権者意識
選挙に関する課題のひとつは投票率の低さである。主権者がその一票で政治のあり方、権力を左右するということが自覚されていない。
それは立憲政党、とりわけ革新系の運動と政策の弱さに責任がある。ある地域ユニオンの労働者が次のように語った。「左翼の残念なところは、最後は9条や原発反対に逃げ込むこと。投票に行かない5000万人弱にはそれだけでは通じない」。この一言を真剣に受け止めなくてはならない。
心をつかむ政策
なぜ大阪など関西で大阪維新が強いのか。それは、東京一極集中で大阪などが経済や生活が疲弊していることを維新が取り上げ、「大阪都構想」で活力や成長への期待を持たせているからではないか。
私たちこそ貧困と格差にあえぎ、経済成長に期待を寄せる民衆に、そして投票しない半数超の有権者に対し、どのような政策で話しかけるかが第二の課題だ。
たとえば、ブラックバイトの学生やブラック企業の労働者に、「それならやめればいい」では通じない。問題は「賃金奴隷」状態からどうやって解放するのかということだ。
そのためには、かつてのように賃上げだけではすまない。ブラック労働を拒否できる社会保障制度を充実しなくてはならない。たとえば、失業者の失業手当受給率は、日本では約20%、欧州では80%程度が普通である。生活保護も同様だ。欧州の社会保障充実が、生活基盤を支えて賃金奴隷状態を緩和している。
具体的政策こそ
とりわけ身近な自治体選挙では、具体的な課題と解決策が問われる。護憲や反消費税はもちろん大切な訴えだ。しかし、そこに止まっては前述のユニオン労働者の問題提起を生かせないし、民衆の期待をつかめない。
自治体選の結果が参院選の動向を占うことを考えれば、最後の最後まで勝つために全力を集中しなくてはならない。その結果の勝利こそ、新社会党が闘いを進めるために不可欠な条件をつくる。
国政で共闘推進
遅れている参院選の共同候補づくりのため、すぐに市民と野党の共闘を進めなくてはならない。そして、衆院解散による衆参同日選挙もうごめく中、小選挙区における衆院議員候補者の一本化もまた進める必要がある。