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  4. 2019.06.18
消費税増税許すな
参院選に勝ち断念させよう
 消費税が今年10月から10%に増税される予定だ。消費税は庶民に重くのしかかる、逆進性の強い大衆課税だ。高額所得者や大企業に応能負担させ、格差を是正するのが「税」の役割、鉄則であるはずだ。参院選で増税中止の民意を示そう。

金持ち減税に充当
 消費税最大の問題点、それは「逆進性」にある。これはどうやっても解決できない消費税の致命的欠陥である。 その消費税が、1989年4月に導入されて今年は30年の節目だ。政府・自民党は、「売上税」から続いた国民の大きな反対運動の中で、消費税は「社会保障の財源」「財政

 しかし、89年の税収の総額は55兆円だったが、90年から2018年の30年間の税収平均は50兆円程度である。景気動向の影響もあるが、税収は逆に下がっているのである。

 そもそも法人税の税率は、消費税導入前は42%だったが、年々税率を下げ23・2%まで引き下げられた。所得税の最高税率も86年は70%だったが、現在は45%である。

 それによって30年間で累計372兆円もの消費税収があったにもかかわらず、一方で法人3税の減収額は累計で291兆円である。所得税・住民税の減収額も累計で270兆円にも達した。消費税が、大企業と富裕層への減税と引き換えにされたのである。

 これによって日本の税制は、財源調達能力を喪失した。「租税国家の危機」が生じているのである。

応能負担こそ原則 
 ちなみに消費税が導入された89年の税収内訳は、所得税21兆4000億円(38・9%)、法人税19兆円(34・5%)であり、両税で税収総額の73・4%を占めたていたが、17年は52 ・7%になっている。代りに消費税が30%近くを占めるようになった。

 消費税率が10 %に上がると所得税を抜き、税収項目でトップになると予想されている。

 憲法が要請する税制度は“応能負担原則”で、能力に応じて負担することが公平だとする社会権・平和的生存権思想の具体化であり、現代憲法(社会国家)が要請する最も重要な理念の一つだ。大衆課税の消費税に基幹税の中軸を担わせるのは、憲法違反と言わざるを得ない。

増税中止の選択肢
 消費税の引き上げなどを策す前に、さしあたり租税特別措置の全廃、所得税及び法人税を消費税導入前の税率構造に戻し、その上で租税体系全体の見直しを行うべきである。

 所得格差の拡大や経済の金融化などに対応するために富裕税や金融取引税、タックス・ヘイブン(租税回避地)に対する規制等々、課税の検討課題は数多い。

 要は、国民世論と政治の意思にかかっているのである。このまま増税を許してよいのか、真剣な議論が必要だ。それを示すチャンスが参院選なのである。

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