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  4. 2019.07.02
参院選の野党共闘
消費税・年金でも一致して
 野党は、安倍政権による争点隠しのために参院選の政策的な攻め手を探しあぐねている。1人区の統一は全選挙区で実現し、政権への有権者の怒りは再燃している。弱点を克服し、改憲派を3分の2以下に減らすためにはどうすべきか。

 金融審議会報告書やイージス・アショア配備問題で政権への怒りは高い。「北方領土」もイラン訪問も成果を上げていないし、秋には米に貿易・規制緩和で不利なディールを強いられるのは明らかだ。

 それでも争点が不鮮明なのは、予算委開催を拒否した与党の戦術だけでなく、野党が政策的に一致していないことも原因だ。安倍改憲反対については、憲法審査会で国民投票法改定案の採決を阻んだように足並みを揃えて成果を上げた。

年金にさらに税を
 しかし、税財政政策では心もとない。6月19日の党首討論も、審査会報告書問題を追及したのはいいが、年金問題で野党が示した対案はバラバラだった。

 多くの野党が「最低保障年金」を掲げる。消費増税も反対では一致。ならば、消費税を増税しなくても年金財政に抜本的に税を投入できるグランドデザインを野党共闘で訴えられないものか。しかし、消費税増税の今後については、「凍結」も含め様々だ。所得税の累進強化についても一致しているとは言いがたい。

 立憲民主党の「経済ビジョン」が発表され、「消費税アップでなく公正な税制改正」を明記したのは評価できるが、最低保障年金などの提唱はなく、有権者へのアピール度は弱い。「財政赤字解消」を言うマスコミに遠慮しているのだろうか。

 消費税廃止を訴える山本太郎氏の演説は黒山の人だかりというし、同じ主張の立憲比例候補も現れたが、こういう訴えが広がってほしい。

維新系の全国進出
 今回の選挙で気がかりなのは、維新系の全国進出だ。大阪維新だけでなく、愛知の減税日本、東京・神奈川の旧「希望の党」系、鈴木宗男氏の新党大地を結集して比例名簿を構成し、選挙区でも大選挙区で議席をうかがう。

 大阪での勢いや、野党共闘が以前のような効果を発揮しなくなっている各種選挙の結果を見ても、要注意だ。彼らのターゲットは反自民でも、野党にも反発を感じて棄権しがちな層。「失われた世代」や、競争で心身をすり減らせられた若年層などで、維新的な煽動には反応する。

 切迫した困窮への力強い対策提示が弱く、若者と共通の言葉を持てない既成野党は彼らの獲得で負けている。参院選で安倍政権の右翼補完勢力を叩き落とすことも大事な課題だ。

 だが、今次選挙の最大の課題は改憲派議席を減らすこと。そのために1人区はもちろん、複数区でも当選可能な候補に票を集中しよう。比例は社民党に投票しよう。2020年改憲を阻めば、野党が政策的にも組織的にも態勢を整える時間は確保できる。

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