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  4. 2019.09.24
内閣改造・役員人事
改憲目論み右派・側近を配置
 第四次安倍政権の第二次となる内閣改造と自民党役員人事が9月11日行われた。側近で固め、任期の21年9月まで、改憲をはじめ世界の激動と国内の諸矛盾の激化に対応する体制強化をめざす布陣である。臨時国会でその論戦が始まる。

腹心で社保改革 
 閣僚は麻生太郎副総理・財務相、菅義偉官房長官が留任した他は入れ替えた。韓国への高圧的対応で首相の評価の高い河野太郎外相を防衛相に、対米交渉で「成果」をあげた茂木敏充経済再生相を外相に横すべりさせたのは、韓国シフトを強め、文政権を屈服させる姿勢の現れ。

 加藤勝信厚労相と西村康稔経済再生・社会保障改革相は首相の下で官房副長官を務めた腹心だ。この両大臣が、安倍政権の大仕事である社会保障給付抑制のための「社会保障改革会議」(9月中に設置)を担当する。

 同会議の議長は首相で、まずは高齢者就労促進を柱とする年金改革と利用時自己負担増、要介護1、2の生活支援サービスの市区町村への移行など介護制度改革をまとめ、来年の通常国会に関連法案を提出する。

 加藤厚労相はかつて「金銭解決・首切り自由」法案に執念を燃やした人物で、来年の通常国会に法案提出を狙う。このほか萩生田光一文部科学相、衛藤晨一一億総活躍相など側近が出そろった。 

警察官僚を起用
 公明党からの新閣僚・赤羽一嘉国交相も安倍首相と同期で親しい間柄だ。憲法で公明党が「同調」に転ずるサインかも。国家安全保障局(NSS)局長に就任した北村滋氏は、安倍首相秘書官を歴任した警察庁外事情報部出身で、警察情報官僚が安全保障の要になることに危惧も報じられている。

 首相の最重要課題の改憲は、二階俊博幹事長、岸田文雄政調会長をはじめ自民党役員人事に強い意志がのぞく。憲法改正推進本部長には、首相出身派閥・細田派会長の細田博之・元党幹事長、前改憲本部長を充てる。

 世耕弘成前経済産業相(細田派)を参院幹事長に、参院国対にも細田派の末松信介氏を据えた。参院は改憲発議の3分の2議席に欠け、かつ総裁選で石破支援に回った竹下派が安倍首相とは一線を画し主導してきた。これを一気に改憲推進体制に変えた。野党を分断し、憲法審査会の審議を強行するには、自民党挙げて攻める他はない。 

日韓議論に危惧
 臨時国会は10月4日?12月上旬にかけて開かれる。日米貿易交渉の協定案、国民投票法改定案を突破口に改憲論議の開始、公的年金制度の財政検証結果報告、ホルムズ海峡への自衛隊派遣問題などが争点とされる。

 しかし最大の問題である日韓関係は、徴用工賠償問題に関して野党の足並みが乱れていて、どこまで争点化できるか。また憲法問題は、旧民進系結集の進捗具合では与野党の議席変動も含め予断を許さない状況がある。
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