新社会党
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2020.01.01
新年のご挨拶
人らしく生きる社会像を示して
  
 新年おめでとうございます。

 人らしく幸せに生きるということはどんな社会なのか、今ほど具体的な社会像を必要としているときはないと思います。

 昨年夏の参議院選挙ではロスト・ジェネレーション(就職氷河期)世代の人々を中心に、自己責任論に社会が覆われ、安定した就職ができないのも、人間関係がうまく作れないのも、自分のせいだと思わされてきた「呪縛(じゅばく)」を解く声があがりました。

 これまで政党・政治家がきちんと向き合いきれなかった声に、私たち新社会党は真摯に向き合っていかなければなりません。先輩党員の後ろで活動してきた若い人たちが、率直に意見を出してくれていることに勇気づけられます。

 1980年代から自民党が徹底した「日本型福祉社会・家庭基盤の充実」策が、40年の経過で様々な制度改悪を繰り返し、小さな政府、自助努力、家庭による福祉の充実、民間活力・市場システム重視等の柱が根深く浸透させられたこと、そこに衆議院の小選挙区制の弊害が重なり、諦めと無気力が広がったことを受け止めなければなりません。

 その結果として連鎖する貧困、中年シングルの息子や娘が老親を介護し、仕事との両立が困難になり離職すれば生活困窮者、老老介護、ヤングケアラー、老いた親がひきこもりの中年期を迎えた子の生活を見る「80―50問題」等々、家族に押し付けてきた福祉の限界があらわです。

 次代の人のためにも制度・政策が作り出した社会の閉塞は、人の手によって変える以外にありません。新社会党は地域に医療、介護をはじめとする「生きる」ことに関わる仕事や、支援に関わる仲間たちを多く有しています。その活動を通して人々と共に、社会を変える運動につなげていきます。

 スウェーデンのグレタ・トゥーンベリさん(16歳)から始まった「気候変動に対し何もしない大人たちへのメッセージ」は国境を越えて連帯する運動となり、世界各地で若者たちが「一日も早く温暖化対策の行動を!気候変動は今起きている」と立ち上がっています。

 若者は、金儲けを優先する資本主義社会が作りだしている先進国の犠牲にされる途上国の課題も明らかにしています。

 閉塞感の先にあるヘイト。その空気を最大限利用し、軍事力拡大を図る政治があります。平和な社会は、市民の暮らしに希望があることと戦争につながる「力」を持たないことの両方が基本だということを確認し、地に着いた平和を求める運動を強めることは一層大切な時代です。

 新年を迎え、動き始めた変化を求める声や若い人たちの曇りない視点と運動に応えていく新社会党の活動を強める決意を新たにしています。「地域に根を張る党」として、一緒に考え、一緒に行動する。問題の解決への努力と共に未来を展望するために。

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