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2020.02.18
羽田『新ルート』
危険な都心低空飛行やめよ
 羽田空港を離発着する国際線の増便と新飛行ルートが、3月29日に始まる。国・国交省は国際競争力の強化のためには安全置き去り、環境破壊やむなしの強硬姿勢だ。東京都心低空飛行や川崎コンビナート上空飛行を許すことはできない。

 2014年、初めて羽田空港増便・新飛行ルート問題が都民に知らされた。しかし、10年には「オープンスカイと成田・羽田空港の容量拡大」が発表されており、航空業界の自由化・企業利益増大、日米自由貿易協定が背景にあることは分かっていた。

 それ以降、市民は増便新飛行ルートの問題点を指摘し反対してきた。騒音の激しかった羽田空港は、住民運動と議会決議によって沖合移転させた歴史があり、「(着陸は)海から入り(離陸は)海へ出る」原則が確立。「変更する場合は協議する」(大田区)、「上空は飛ばない」(川崎市)という覚え書きも交された。 

意見聞かぬ「説明」
 15年から行われている国交省の説明会では、都心上空を飛ぶ危険で生活環境を破壊する、世界に類をみない重大問題でありながら、反対意見に耳を貸さない「丁寧な説明」という詭弁に終始。19年8月8日、多くの問題が未解決のまま、国交相が「関係自治体は理解を示した」と20年3月29日実施を発表した。

 これは品川区、渋谷区の反対決議や意見書など反対の声が無かったことにするもので、その後港区議会でも意見書が採択され地元の理解を得ていないことは明白。増便する国際線の各国への増便割り当てを決める時期が迫ったため、強行突破を図ったのだ。

 増便の規模は、南風時は午後3時から7時の間、A・C滑走路への着陸は合計約44便/時、B滑走路からの離陸は約20便/時。北風時は午前7時から11時30分の間も含め、C滑走路からの離陸が約22便/時となる。 特にB滑走路からの離陸は、禁止されていた川崎コンビナート上空を飛ぶもので、落下物や事故は大惨事に直結する。

聴覚障害者の不安
 国交省は「落下物対策総合パッケージ」で安全宣言するが、直近2年間で国内7空港の部品欠落は1180個もある。これが新宿、渋谷の都心に上空から落ちてきたらと考えるだけでも恐ろしい。

 増便され、2分に1機飛ぶようになると、騒音も半端ではない。特に聴覚を頼りに生活している視覚障害のある人の不安は大きい。

 1月30日から騒音値等を調べる試験飛行を「実機飛行確認」にすり替え、乗客を乗せた飛行機で管制官が新飛行ルートの運用手順や危険な降下角3・5度(今は3度)を確かめ始めた。住民の不安解消より管制の運用優先だ。

 最近、増便新ルート反対の組織を立ちち上げる動きが都内各区で続き、住民集会やパレード、国交省交渉など運動が盛り上がってきた。撤回を勝ち取ろう。

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