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  4. 2020.04.07
『緊急事態』NO!
目隠しして火事消せぬ
 
 小池都知事の「感染爆発重大局面」表明の翌日、政府は対策本部を設置した。「緊急事態宣言」の布石だ。五輪延期を境に豹変した安倍―小池の出来レースで感染防止は一層困難になる。

実相知らせず放置
 WHO事務局長は、「目隠しして火事を消すことはできない。まずは検査を」と叫んできていた。

 ところが安倍政権は、検査のハードルを高くして意図的に抑制し、国民に感染の実相を知らせないまま火中に放置してきた。オリンピックのためだ。クルーズ船関係者すら十分な検査はしなかった。そして「病院に行かないように」「自宅待機を」と強調した。

 韓国は当初から検査の徹底と軽症段階からの隔離、そして隔離家庭への直接所得保障を原則とした。自宅待機は厳格な住環境条件をクリアした場合だけ許された。日本では2月1日〜3月10日まで「帰国者・接触者センター」への相談は16万件、検査は4500件。世論の批判で3月初め検査に保険適用しても、改善されなかった。

 公表感染者数に対する死亡者数は3月末で日本は1400人強で約60人。韓国は約9千人強で139人。日本の検査数は韓国の1割程度、症状悪化の人しか検査していないのだ。

泥棒の金庫番とは
 ところが、五輪延期となったとたん「大火事だ」と騒ぎ出した。検査せず感染実態が諸外国のように示されず、「目隠し」されたままの国民に「自粛」は徹底しない。そこに乗じて「緊急事態宣言」とは火事場泥棒だ。

 小池都知事も同罪だ。検査は首長の権限。和歌山県知事は、病院でクラスターが発生した際、「国には従わない」と公言して大量の検査を実施して拡大を防いだ。

 感染者が40人を超え、小池知事が「重大局面」とした際も東京の検査はわずか100件強だったのに、「緊急事態宣言」を期待するような言動にはあきれる。

 こういう面々による「緊急事態」は、泥棒の金庫番だ。国民に目隠しだけでなく猿轡(さるぐつわ)をはめかねない。特措法が現行法を越えるのは、首相への権限集中と私権制限だ。軽症者の隔離施設など私有地を収用せずとも公有地や施設はある、五輪延期で空いた関連施設も使えばいい。どこに「私権制限」の必要があるのか。

 検査できず、マスクが医療現場にすら行き渡らないのは「首相に権限」がないからか。原発事故で東電経営者は「業務上過失致死罪」で起訴された。安倍―小池も同罪だ。

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