全世界を覆う新型コロナウイルス感染は、温室効果ガスの規制と同様に、一国では解決できない全世界的な課題だ。これを解くカギは、格差と貧困を世界から根絶する全世界的な努力だ。
医療分野の切捨て
新型コロナウイルスの感染は、中国武漢市から始まり、今や全世界に伝播し、恐怖の底に陥れている。コロナ問題に大統領が高を括っていた米国は、感染者が76万6千人と世界でトップとなった。
これにイタリア、スペインと続き、世界で243万人が感染、死者数は16万7千人を数える(4月21日現在)。
各国は人の動きを止めるため、国境を閉じて感染防止に努めているが、終息期はまだ見通せない。
コロナ問題は、各国の医療、社会制度の在り方を浮き彫りにしている。イタリアでは、緊縮財政政策によって5年間で758カ所の医療機関が閉鎖され、医療従事者10万人以上が不足し、コロナ対策では医療分野が崩壊した。
また、貧困層が加入しにくい米国の医療保険制度では18年の未加入者数は2750万人に増え、貧困層への医療サービスは届かず、コロナ感染者数は公表数よりもっと多い。
迫る温暖化の対策
国境を越えて深刻な問題には、地球温暖化対策もある。温暖化の元凶とされる二酸化炭素ガスの排出量削減問題は15年に196カ国が参加したパリ協定は、排出量削減目標の策定義務化や進捗の調査などを合意した。
昨年12月には国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)が開催されたが、根本の市場メカニズムは合意されず、11月のCOP26グラスゴー会議(コロナ問題で21年に延期)に先送りされた。
根底にあるのは、先進国の責任分担と発展途上国への援助の枠組みの溝が埋まらないことだ。
元凶は飢餓と貧困
コロナウイルス、地球温暖化問題は、国境を越え、一国では解決できない。南アメリカ、アフリカ大陸のほとんどの国は極貧と劣悪な衛生環境に置かれ、感染症の温床である。
また森林伐採は2秒間にサッカー場一つが消えている。こうした問題の克服抜きにコロナ対策も温暖化対策も解決しない。一方、米国は地球温暖化に対するパリ協定から離脱、コロナ問題ではWHO拠出金を停止した。
日本も、脱炭素社会に背を向けて火力発電を推進している。多国籍資本がつくり出した「強欲資本主義」は、地球・人類と共存できない。