憲法と国際人権規約に違反する稀代の悪法・特定秘密保護法が年内に施行されることになっているが、その犠牲者≠ェ出る前に「対策弁護団」が結成され、3月12日に国会内で結団式が開かれた。
「秘密保護法対策弁護団」の設立趣意書は、「法律が施行され、検挙された人が出てから弁護態勢を取るのではなく、あらかじめ弁護団を作って準備し、そのことで検挙の予防をする」と結成の目的を掲げる。そして、弁護団は、研究会・勉強会を開いて理論武装して全国各地で講演や街頭宣伝などを進んで引き受けて「法的観点から問題点を明らかにし、発信することで秘密保護法廃止運動を市民と共に担う」とうたう。
また、趣意書は「秘密保護法は憲法および国際人権規約に違反する」と指摘、部分的修正で対応できない根本的欠陥があるとする。
根本的欠陥として趣意書は、@何が秘密に指定されるかが限定されず、政府の違法行為を秘密に指定してはならないことも明記されていない、A公務員だけでなく、ジャーナリストや市民も、独立教唆・共謀・扇動の段階から処罰される。最高刑は10年の厳罰で、政府の違法行為を暴いた内部告発者、ジャーナリスト、市民活動家を守る仕組みが含まれていない、B政府から独立した「第三者機関」も存在しない、C国家安全保障と情報への権利に関する国際原則(ツワネ原則)にことごとく反している、などを挙げる。
弁護団はこの日までに330人が参加、1000人をめざす。また、弁護士になって10年以内の若手が半分を占めており、大きな広がりが期待される。
結成式は弁護士や市民ら130人が参加、呼びかけ人を代表して南典夫弁護士が挨拶、「弁護団が全国に広がることで、委縮しないで堂々と言論活動をすることを支えることになる」と結成の意義を強調、「秘密保全法に反対する愛知の会」共同代表の中谷勇次弁護士が「秘密保護法を発動させない闘いと廃止の闘いは車の両輪。犠牲者一人も出さない闘いを」と訴えた。
結成式後は、刑法学者の村井敏邦一橋大学名誉教授と、元検事の落合洋治弁護士が、それぞれの立場から「秘密保護法の刑事法上の問題点」をテーマに講演した。
|