京都府京丹後市の経ヶ岬に計画されている米軍Xバンドレーダー基地建設で防衛省は4月13日から17日にかけて市内各地で説明会を開き、工事強行へ突き進もうとしている。
防衛省は説明会で、住民の「安全・安心の確保」をなおざりにしたまま5月着工、10月から本格工事を行ってレーダー本体を搬入し、12月から運用を開始すると打ち出した。
このような中で、「米軍Xバンドレーダー基地反対・近畿連絡会」は4月20日、京丹後市の宇川農業会館で「京都にも沖縄にも、どこにも米軍基地はいらない!Xバンドレーダー基地建設着工反対!4・20京丹後現地集会」を開き、近畿・全国からと地元住民の参加で約400人が結集、大きく成功した。
集会では、近畿連絡会代表世話人の大湾宗則さんが「主権者は私たちだ。Xバンドレーダー基地建設をはじめ国策の名で行われる悪政と闘おう」と主催者挨拶した。
その後、米軍基地建設反対丹後連絡会事務局長の近江裕之さん、止めよう経ヶ岬の米軍レーダー・危険な戦争準備を許さない緊急京都府民の会代表の大槻正則さんが連帯挨拶。次に米軍基地建設を憂う宇川有志の会代表の三野みつるさん、同会事務局長の永井友昭さんが現状報告した。
三野さんは「安心・安全の確保が何もないまま、5月に着工されようとしている。本当に許せない。米軍による犯罪・事故が起きても日米の密約で何もしてもらえない。恐ろしい思いだ」と訴えた。
永井さんは「防衛省は、この4回の説明会で『地域住民、京丹後市民が理解をした。納得をえられた』という格好を作って、その上で5月から一気に工事に入る、そういうお膳立てをアメリカ軍にしてやるという考えだ。説明会も最初から終了時間を決めておいて、時間がきたら質問があっても立ち去ろうとする全く誠意のないものだった」と訴えた。
次に各地の反基地運動から沖縄平和運動センター議長の山城博治さん、岩国市議でリムピース代表の田村順玄さん、基地撤去をめざす神奈川県中央共闘会議副議長の檜鼻達実さんから発言があり、山城さんは「日米地位協定は米軍のためにある。日本の国民を守るためではない。沖縄の女性たちがどんなに泣いているかわかりますか」と熱く語った。
集会後、参加者はXバンドレーダー基地建設が公表されてから宇川の集落を通る初めてのデモを行ったが、多くの住民が家の前や畑などで手を振って迎えた。(京都・駒井)
Xバンドレーダー 目標を形として把握できる能力を持ち、弾道ミサイル防衛システムの目標補足などに使われる。06年に青森県の空自車力分屯地に配備され、経ヶ岬に続いて九州、沖縄などへも配備が検討されている。
|