2016.11.22
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悲しいほどどうでもいい情報も |
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ジャーナリスト小笠原みどりさん講演<8>
「ターゲット トーキョー」の内容を見てみると、悲しいほどどうでもいい情報がある。例えば、サクランボの輸入に関する文書があるが、カリフォルニアやオレゴンといったサクランボの生産地から輸入するに当たって日本の検査を通らなくてはならない。
農水省から検査官が行って検査をするが、検査することでアメリカの機嫌を損ねないかということをすごく気にしている。
その文書の中に、「検査しても輸入することは決まっている」と書いてある。では、検査は何のためにするのか、安全性の検査をしても輸入されることは決まっている。輸入される時期が何カ月か遅れることにアメリカはへそを曲げないだろうか、機嫌を損ねないだろうか、損ねないためにこうするのがいいといったことを官僚たちが、まじめな大人が一生懸命話し合っている。
その様子をアメリカが全部見ていて、いかに自分たちのことを日本の官僚は恐れているかということを知って満足している。異常な関係だ。心理的にぞっとする。
だから現実的に考えてアメリカ政府が、日本側がすごい大きな秘密を持っているとか、そういう疑いというよりは、日本がどれだけ忠実で従順であるか、それを片時も目を離さず見守っている。
日本の側は「ターゲット トーキョー」が明らかになったときに、経産省の官僚のコメントが『朝日新聞』に載っていたが、「やっぱりそうか。驚くことはない」。「なーんだそれ、出来レースか」と言うより、むしろ、「われわれの従順さを見てくれていてありがとう。何も悪いことしてなかったでしょう、ボク」、そういう印象を受けた。「従順にしていて本当に良かった」、そういう心理が分からないわけではないが、健全とは言えない。
そういう一種の経済スパイ、アメリカの農産物をどれだけ買うかとか、日本のエネルギー政策、中東との関係、エネルギー問題は裏返せば地球環境問題でもあるので排ガス規制をどうするかとか、そういうことでいちいちアメリカの政策とぶつからないかとか、あるいは歯向かわないかとかいうことをチェックしている。
世論、社会意識調査、これは「アメリカのパートナーとしてイギリスのGCHQという機関のことを話したが、このGCHQが社会意識操作のための手段を分析、かつ実行している。それは、例えば今日のこの集会を企画してくれた人についての誹謗中傷を流すことによって信頼性を失わせる。あるいはその団体に対する社会的信頼性を失わせるような情報をネット上で流す。 |
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