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 2016.02.16
安保法制違憲訴訟
全国で提訴を準備 あなたもぜひ原告に
安保法制違憲訴訟の会共同代表 弁護士 内田雅敏


 弁護士で構成される「安保法制違憲訴訟の会」は15年12月21日、衆院第二議員会館で記者会見を開き、昨年9月に国会で成立した安全保障法制が違憲・無効だとして、集団的自衛権行使の差し止めや、国家賠償を求める裁判を起こすことを発表し、現在、原告を募り準備を進めている。共同代表の内田雅敏弁護士は次のように訴える。
 今、全国の弁護士300余名が名を連ねて安保法制違憲訴訟の会を立ち上げた。その中では、高等裁判所の元裁判長、地方検察庁の元検事正などそういう人々も集まっている。
 裁判としては、差し止め訴訟、これは今年の3月末までに安保法制が施行されるので、安保法制によって自衛隊の出動を許さないという差し止め訴訟 、もう一つはこれまでも何回も行われてきた国家賠償訴訟、この二本立てになる。
 どのような権利が侵害されたか、今回は閣議決定によって憲法の根底が毀損されたとして、憲法の制定権が侵害された権利としてあげられている。
 かつて1959年の砂川事件大法廷判決は、「日米安保条約などの高度の政治性を有する条約については一見明白に違憲無効でない限り司法審査の対象外になる」と逃げた結果、今日自衛隊がどんどん拡大して、米軍と一体になって海外に出て行くという事態をもたらしている、裁判所が責務を放棄した結果だということを主張していきたい。
 違憲訴訟の会だが、元裁判官を中心に、あるいは厚木爆音訴訟を担っている横浜弁護士会の福田護弁護士を中心として訴訟の検討委員会をつくっている。
 訴状の冒頭にこの裁判にかける原告の思いを述べている。この思いを述べた上で、通常の訴訟と同様に差し止め訴訟なら内閣はこの安保法制に基づいて自衛隊の出動命令を出してはならない、あるいは損害賠償請求訴訟ならこの安保法制によりどれだけの損害を受けたから賠償金を支払えという裁判になる。
 冒頭に原告の思いを書いたのは、裁判所に対してこの状態が放置されたならばどういう社会をもたらすか、ということに裁判所に想像力を働らかせる、そういう裁判を意図しているからだ。
 ご承知のように経団連は武器輸出を国家戦略とする方針をたてている。あるいは防衛省は防衛装備庁という武器輸出の窓口を外郭団体としてつくった。武器輸出を国家戦略とする平和国家はあり得ない、そういうことについて裁判所に想像力を働かさせるのだ。
 今の安保法制が施行されていくと、どういう日本社会になるか、さまざまな人権侵害、武器輸出に関していえば武器輸出は需要がなければならない、紛争がなければならない、こういう社会になってしまうということを裁判所に対して訴えていくということだ。
 原告としては市民一般、国籍に関係ない。原告の類型に関わらず全国各地で違憲訴訟を起こす、ということで原告を募る呼びかけを行っている。
 提起する裁判所は東京だけでなく、とりわけ高等裁判所のある札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡、そして高松、また福島、沖縄、東京周辺では神奈川、千葉、埼玉で起こしていきたい。
 違憲訴訟について原告については原則として費用はかからない。原告の負担は憲法を守り抜く、発展させるという行動だけだ。
 しかし、現実には通信費なども含め様々な費用がかかるので、違憲訴訟を支える会を作って、原告の人たちにも強制ではないが加わってもらいながら、原告にはならないが違憲訴訟を支え、賛同する人たちに加わってもらって年間3000円程度の会費を負担してもらい活動をしようと思っている。
 いずれにしても、3〜5年、長いスパンの裁判になる予定だ。
 とにかく今までの9条裁判は憲法9条に違反する自衛隊の活動ということにあったわけだが、今回は憲法制定権、憲法そのものが破壊されてしまっている、と思っている。
 違憲訴訟の会でいろいろ議論していると、元裁判官の人たちが、憲法の改正には限界がある、平和主義、戦争放棄の9条を変えてしまうのは憲法の限界を超えるということをかつて裁判官の人たちが語っている。 元裁判官と弁護士が和気あいあいと議論する、それだけ事態が厳しく進行している時代になったということだ。
 ぜひ、皆さんに原告になって違憲訴訟(支える会)に参加してほしい。支える会は近々に発足される予定だ。





原告希望者は以下事務局にFAX、メール、郵送でその旨を。詳細を返送する。 安保法制違憲訴訟の会 共同代表(50音順)伊藤真(法学館憲法研究所所長)/内田雅敏(戦争をさせない1000人委員会事務局長)/黒岩哲彦(東京弁護士会元副会長)/杉浦ひとみ(コスタリカに学ぶ会事務局長)/田村洋三(名古屋高等裁判所元裁判官)/角田由紀子(一票で変える女たちの会呼びかけ人)/寺井一弘(日本弁護士連合会元事務総長)/福田護(厚木基地訴訟副弁護団長)/堀野紀(日本弁護士連合会元副会長) 【事務局】 安保法制違憲訴訟の会東京都渋谷区桜丘町17―6渋谷協栄ビル2階電話03(3780)1260 FAX03(3780)1287i k e n . s o s h o u @gmail.com


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