2017.02.14
|
|
TOKYOMX「ニュース女子」の差別報道〈上〉 |
|
のりこえねっと共同代表 辛淑玉
BPOに人権救済を申し立て
日本社会は、一度走り出したら止まることができない。ひどいことをしてもどうしていいか分からず、なかったことにして見て見ぬふりを決め込む。やがて、いやこれは必要なんだとか、加害者側に立って無理やり理屈をこね始める。その典型が歴史修正主義者だ。
沖縄と在日へのヘイトでは、現在進行形で犯罪行為が行われている。高江と辺野古で起きていることは国家による無法行為であり、人権侵害であり、政治弾圧である。山城博治さんの不当な長期拘束などその典型だ。 しかし歴史修正主義者たちは、基地反対派は過激派で、東京から雇われて行ったのだという言説を振りまこうと必死になっている。
そうした政権の尖兵の一つが、TOKYO MXテレビの情報番組「ニュース女子」だ。
この番組は、新年1月2日の放送で、基地反対派は過激派のテロリストであり、彼らは金で雇われていて、操っているのは「のりこえねっと」の辛淑玉だ、辛淑玉は親北派で、どこからか金がジャンジャン集まり、それで反日活動をしているという趣旨の内容を流した。
現地取材もせず、「のりこえねっと」や私への取材も一切なく、デマと妄想だけで番組を作ったのだ。しかも、笑いながらデマを垂れ流した。「死ね」「殺せ」のヘイトデモをする連中が、一様に笑いながら差別扇動をするのと同じである。しかしこちらは、電波の枠が限られている地上波での放送だ。ネットに流れるデマなどとは訳が違う。
テレビで流されるのは、デマが社会的に公認されたことを意味するからだ。
この番組の司会者は長谷川幸洋(東京・中日新聞論説副主幹)。彼は、放送直後に多くの人が指摘した問題には向き合わず、取材もしていない内容をそのまま正しいとして開き直り再度垂れ流した。
出演者は、井上和彦(軍事ジャーナリスト)藤井巌喜(国際問題アナリスト)武田邦彦(中部大学教授)、上念司(経済評論家)須田慎一郎(経済ジャーナリスト)と、それらの男たちから解説を受ける女性タレントたち。
長谷川は、「発言に責任を持てなどと言われたら言論の自由はない」と、本当にジャーナリストなのかと疑いたくなる発言をした。デマは言論の自由の対象ではない。
番組を制作したDHCシアターの親会社DHCの会長は、日本には在日が驚くほど住んでいて、日本のために頑張っている人は問題ないが、似非日本人はいらないという差別扇動を堂々とホームページに出している。DHCシアターは、「のりこねっと」の抗議に対して、話を聞く必要はないと居直ったあげく、問題の放送をネットで公開し続けている。 多くのメディアが取材の有無を問題にしていたが、彼らは最初から取材などどうでも良かったのだ。ただデマを流せれば、それで目的は達成されたからだ。これは、デマによって国民を洗脳し、国家にまつろわぬ者を国民の手で抹殺させるための、公開処刑の始まりなのだ。
1月27日、私は、BPO(放送倫理・各番組向上機構)に人権救済の申し立てをし、記者会見に臨んだ。 詳細はここのアドレスにhttp://www.norikoenet.org/top2 抗議文の下には、内容の検証の詳細とマスコミ報道など関連の情報が整理されています。 |
|
|
|