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 2017.02.21
掟破りを
TOKYOMX「ニュース女子」の差別報道〈下〉


              のりこえねっと共同代表 辛淑玉

 袋叩き状態続いている   

 差別構造温存の責任

 日本社会の悪癖である

 TOKYO MXテレビのヘイト垂れ流し番組「ニュース女子」に対する抗議の記者会見が、沖縄と東京の2カ箇所で合同開催された。
 基地反対派は金をもらっている過激派だとしたこの番組に対して、沖縄からは池宮城紀夫(弁護士)、目取真俊(作家)、高里鈴代(平和市民連絡会共同世話人)、岡本由希子(平和市民連絡会)、安慶名奈々(名護在住) さんらが登壇した。東京からは、私と「のりこえねっと」事務局長の川原栄一、弁護士の金竜介らが登壇した。
 高江から40キロ以上も離れている二見杉田トンネルの前で、ここから先は危険で取材ができないと発言した井上和彦(軍事ジャーナリスト) の「現地取材」がいかにバカバカしいものか、そして、基地反対運動をしている人たちを貶めるために、どれだけウソを並べ立てれば満足するのか、番組への怒りが東京の会見場にも届いた。
 番組の中では、ウチナーンチュを使って反対派を叩き、沖縄の人はみんな米軍が大好きで大多数が基地に賛成と、選挙の結果にも沖縄の民意にも反する放送をした。
 この番組に出演していた「ボギーてどこん」こと手登根安則と我那覇真子は、右派のチャンネル桜沖縄支局の常連メンバーである。地元住民だという依田啓示という男性もその仲間で、彼は高江でヘリパッド建設に反対していた女性の顔をこぶしで殴りつけ怪我をさせた人物でもある。そして、井上和彦とともに右派メディアの常連なのだ。
 沖縄を叩くときには沖縄人を使う。このやり方は、まさに植民者の手法そのものだ。目取真さんは、これが地上波の東京ローカル局で放送されたことについて、沖縄の問題に向き合うことで後ろめたさを感じたくないからだと、このような言説を支持する者たちの卑怯さを語った。  それにしても、ヘイトデマへの反証を叩かれた側がしなければならないというのは、私にとっても沖縄で声を上げている人たちにとっても、しんどい作業だ。
 記者会見後、NHKがニュースとして流し、朝日新聞も社説を出した。沖縄2紙は徹底抗戦の構えで、「辛淑玉さんを支持する」と、その紙面で表明してくれた。闘いは、始まったばかりだ。
 BPOの放送倫理検証委員会は、TOKYO MXテレビに対して番組について報告を求めたが、勧告が出るかどうかはまだわからない。しかし、笑いながらデマを振りまき開き直っている輩を野放しにすることは、まさに言論への弾圧になる。
 マイノリティは、いつも恐怖ゆえに沈黙を強いられるのだ。すでに、私のホームページには、「さっさと帰れ」と書かれたメールが飛び込み、記者会見場に来ていたネトウヨの撮影した動画がユーチューブに流されていて、袋叩き状態が続いている。
 あえて言う。 差別構造を温存している責任はマジョリティの側にあるのだ。沖縄の人や在日におんぶにだっこでは、到底社会変革などできようがない。マイノリティは市民運動の下請けではないのだ。
 日本社会の悪癖である「見て見ぬふり」をし続けていれば、最後はあなたの命をも奪われることになると、ここで明言しておく。詳細はここのアドレスにhttp://www.norikoenet.org/top2抗議文の下には、内容の検証の詳細とマスコミ報道など関連の情報が整理されています。