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 2017.04.25
共謀罪法案
違憲だ!


 成立したら警察国家≠ノ

 法学者団体など声明



 安倍政権が今国会で成立を狙う「共謀罪法案」(組織犯罪処罰法改定案)は4月14日の衆院法務委員会で法案の趣旨説明が行われて審議が始まったが、学者や法律家らの3団体が13日、東京・永田町の参議院議員会館で記者会見して法案の問題点を指摘するとともに「声明」を発表した。
 3団体は、法学研究者約600人が所属する「民主主義科学者協会法律部会」(民科法律部会)、会員約2000人の「歴史教育者協議会」(歴教協)、研究者らで構成する24団体が賛同している「平和と民主主義のための研究団体連絡会議」(平民研)で、各団体の代表者がそれぞれの立場で見解を述べた。
 民科法律部会理事で憲法学者の清水雅彦日本体育大教授は、「憲法は国家権力を制限する規範であり、軍隊と警察という暴力装置を憲法で縛らなくてはならない。戦前の日本の経験から人身の自由を手厚くしている。共謀罪が成立したら戦前の警察国家になってしまうという懸念がある」と述べ、「違憲立法の可能性がある。なんとしても阻止しなければいけない」と強調した。
 刑事法学者で国際法にも詳しい民科法律部会理事の新倉修・青山学院大名誉教授は「この法案に賛成している方々は『自分は適用されない』と思っているのだろう。だが『自分は絶対適用されない』と言い切れない法律だということこそが、この共謀罪の最も危険なところだ。自分は絶対に安全だと言える人は、この法律を自分の有利なように適用できる権力を持っている人だけだ」と指摘した。
 過去の歴史を踏まえた上で反対の姿勢を鮮明にする歴教協の白鳥晃司副委員長は「戦前・戦中に治安維持法によって多くの教員が弾圧され、子どもたちが個性的な考えを持てるような教育実践がつぶされていった。格差や貧困が問題になるなど当時と状況が酷似する中で出てきた共謀罪に恐れを抱く。共謀罪が成立すれば、かつての失敗の歴史を繰り返すことになる。警鐘を鳴らしていかなければならない」と力を込めた。  会見には、「改憲問題対策法律家6団体連絡会」、2月に発足した法律家7団体による「共謀罪法案に反対する法律家団体連絡会」のメンバーも参加した。
 記者会見後に開かれた決起集会では、参加した市民と研究者・法律家が交流した。