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 2018.06.19

カジノ実地法案
賭博解禁許すな
 安倍内閣と与党は、森・加計問題で続々出て来る疑惑に知らぬ存ぜぬ一点張りを貫き、「働き方改革」と「カジノ実施法案」の成立強行のために会期を延長までしようとする。社会を退廃させ傷つける賭博合法化を許してはならない。
 刑法で禁じられている賭博の合法化は2016年に「カジノ推進法」として成立し、今国会に提出されているのは刑法との整合性をはかるなどの「実施法」である。国民の批判をかわすための「ギャンブル依存症基本法」は、すでに衆院で国民民主と維新も賛成して通過している。
 「実施法」は5月22日に衆院で審議入りし、自公与党は、6月8日の衆院内閣委での採決強行を策したが、10日投票の新潟県知事選挙への影響を懸念して見送った。13日の同委の採決を目論む。
 カジノ法で危惧されるのは、今でも厚労省が500万人もいるという「ギャンブル依存症」の増大だ。7日間で3回、28日間で10回の入場上限設定や、入場料6000円などの規制や、当面3カ所(東京、大阪、沖縄を想定)に限るなどで、「女房子どもを質に入れても」とのめり込んでしまう依存症を防げるはずがない。
 「地域経済活性化」「財政への寄与」と言うが、巨大な総合施設であるカジノが地元の商店街に与える打撃は計り知れない。ノウハウのある海外資本がカジノの実権をもつだろう。オリンピックが終わり、客が減れば資本を引き揚げ、「夢の跡」と地域の荒廃だけが残りかねない。だいたいラスベガスや香港のカジノと客引き競争で勝てるわけがない。アベノミクスの目玉で兆円単位の国策なのだ。事業の損失の穴埋めには税金を投入するだろう。
 そして、極めつけは「反社会的勢力」の跋扈。マネーロンダリングの合法化であって、大手を振って闇の資金が兆単位で膨れ上がり、賭博解禁に賛成した国会議員に献金され政治はますます汚染される。それだけではない。「実施法案」には「カジノ事業者または事業者から委託を受けた者」が債権取り立ての際に「威迫、生活の平穏を害」したり、「社会的に不適当な」時間に「電話・訪問」を禁ずるという条項まである。想定される事態を正直に語っている。
 法案には公明党支持者には異論が強い。それだけに公明党は統一自治体選や参院選に影響しないうちに早く今国会で決めてしまいたいという。仏罰が当たると言うべきだ。国民民主党が「依存症基本法」に続き「実施法」にまで賛成したら、市民から完全に見放されるだろう。