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 2020.01.21
平和が文化になった国 コスタリカ
死刑制度を無くし常備軍を廃止
ロベルト・サモラ弁護士講演

 
1841年、軍人のグラム・カルヒーヨがクーデターを起こして一つの憲法を作った。

 この軍人は、100年後の1948年に世界人権宣言(正式名称=人権に関する世界宣言)ができるが、それよりも100年も前に憲法に人権を認める内容を盛り込んだ。

 さらにこの憲法でも、1824年に作られた憲法の、とりわけ教育の部門、「教育は義務制であり、無料であり、なおかつ国家によって支持される」という条項を変えることはなかった。

 そして、1871年にトマス・グアルディアが最高権力に就いたが、その時にまた憲法を作った。これには2つの新しいことが入った。それは彼が軍人でありながら、1つの原則は、軍人は国家の政治に介入してはならないということ。つまり、トマスはコスタリカにおける政治に関わった最後の軍人になった。

 2つ目は、死刑廃止だ。彼は軍人だったから、常に死と向かい合う運命にあったが、死刑を無くすことが新しい憲法の2つ目の条項だった。コスタリカは世界で3番目に死刑を廃止する国になった。最初はヨーロッパのサンマリノ、2番目は南米のベネズエラだ。

 1871年の憲法で軍人が政治に関与しないということで、社会は安定する道を歩むことになった。1824年に最初の憲法ができた。それから今話した1871年の憲法までに11回憲法が作られ、あるいは書き換えられている。

 この1871年憲法が1949年まで維持された。その前年、1948年にホセ・リゲーレスの革命が起き、この時に軍隊を廃止した。軍隊を廃止した目的は、クーデターを起こさせない、そして地域の武力紛争に参加しない、この2つが強調された。国際法を大切にするということも強調された。

 軍隊を廃止したということが、コスタリカの地域における尊敬される国、人権を擁護する国として定着した。

 1969年に地域の人権憲章に署名したことによって首都サンホセには、米州人権裁判所が置かれている。

コスタリカの憲法第12条 
197条からなり、第12条で「常備軍の廃止」をうたっている。

第12条 
常設の組織としての軍隊はこれを禁止する。公の秩序の監視と維持に必用な警察力はこれを保有する。米大陸内の協定または国内防衛上のためにのみ軍事力を組織することができる。これらはいずれも常時、文民の権力に従属し、個別・集団のいかんを問わず、いかなる示威行為あるいは(戦争の)布告も審議することができない。