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 2020.02.11
平和が文化になった国 コスタリカ
司法が政府とお友達ではいけない
ロベルト・サモラ弁護士講演

 
ロベルト・サモラ弁護士の講演「軍隊を持たない国の暮らしと教育」の後、参加者による質疑の時間が設けられた。

 Q日本は憲法9条を持ちながら、実態はかけ離れてきた。そのなかで、憲法や原発などを巡る様々な裁判が行われている。
 地政学的にもコスタリカは、アメリカの軍事的、経済的など様々な干渉を受けてきたと想像できるが、そのなかで独立性を維持できたのはどうしてか。 

 Aまず、国民のアイデンティティを共有していたこと、自らの歴史と心情に対して高い尊厳の意識を持っていること、決定的な時期に勇気ある決定をするということ。また、外交的な運動、そうしたことが基本にあると思う。
 もし、コスタリカが大きな国であれば、永世中立を宣言したルイス・アルベルト・モンヘ大統領は、世界的な人物になっていたと思う。恐怖心を持たず、勇敢さで平和をつかんだと思う。戦争には非常にコストがかかり、平和を維持することには、コストはかからない。こうしたことがあると思う。
 それと、最高裁判所の位置があると思う。最高裁判所は社会正義を代表するということだ。しかし、日本の最高裁は安倍さん(安倍晋三首相)に近い状態にあると思う。

 Qサモラさんがやったような裁判を日本でやると、絶対に負ける。日本の場合、三権分立が半分以上壊されている。コスタリカには、裁判所の独立性を保つ工夫があるのではないか。 

 Aまず、政府と司法が友達であってはならない。司法は、政府とは離れていなければならない。2番目は、コスタリカの場合は最高憲法裁判所の裁判官は弁護士であるということ。日本では、最高裁の裁判官は弁護士ではない。裁判官は弁護士であること、裁判官は独立していること、これが基本だ。
 また、日本の裁判官は年齢が進んでいて、冷戦時代の「敵が攻めてくる」という考え方を持った人が多いようだが、今日の世界にそうした情勢はない。こうしたことも、背景にはあるのではないだろうか。


 日本政府は、自衛隊は軍隊ではないと言う。軍の目的は、攻撃か、防衛か。軍隊はどこの国でも他国を攻撃することが目的だ。
 日本の歴代の政府は、自衛隊は軍隊ではない、国を守るものであると大ウソをつき続けてきている。自衛隊という言葉は、自衛するということだが、そうではない。何年間もウソにウソを発明してきているというのが、日本の現実だと思う。