昨年8月に改定された労働契約法、高齢者雇用安定法が4月1日から全面施行された。
改正のポイントは、@無期労働契約が反復更新されて通算5年を超えたときは、労働者の申し込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できる(18条)、A有期契約労働者と無期契約労働者との間で、期間の定めがあることによる不合理な労働条件の相違を禁止する(20条)、など。
しかし、これらがあるものの、合理的理由のない有期労働契約の禁止(入り口規制)などが見送られ、有期労働契約による不安定雇用が無くならない。18条改正もこれまでの更新実績は捨象され、この4月1日からの契約が対象となることや、クーリング期間(雇用の中断)など抜け道がつくられている。
また、有期契約による不合理な差別は、賃金、休暇、手当などの是正は職場に労働者の闘いがなければ実現しない。改正高齢者雇用安定法は@65歳以上までの定年引上げ、A希望者全員を対象とする65歳までの継続雇用制度、B定年の定めの廃止のいずれかの対応が経営者に義務づけた。
また、安倍内閣につくられた首相を本部長とする産業競争力会議では、多様な働き方の実現と称し、労働力の有効な活用のために解雇ルールの明文化が議論され、一定の金銭を払えば解雇できる「金銭解雇」の導入の検討が言及されている。安倍首相は解雇の自由化はしないと打ち消しにやっきだが、参院選を控え、時期の問題となるだろう。 |