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2013.10.22
許せない「解雇特区」
労働者 守る仕組みが崩壊 

 
 
 安倍首相は9月20日、「政労使会議」の初会合で、「経済がプラスに反転する動きが出ている。企業収益、賃金、雇用の拡大を伴う好循環につなげていきたい」と述べ、賃上げや雇用拡大への協力を求めたが、本音は「解雇特区」だった。


 政府は企業が労働者を解雇しやすい「特区」を作る検討に入っている。労働時間の規制にとらわれず、普通解雇もできるようにすることを臨時国会に出す国家戦略特区関連法案に盛り込む方針だ。「働かせ方の自由度」の名の下に「企業を野放しにする労働規制緩和」を促す狙いだ。実現されれば働き手を守る仕組みは大きく崩壊する。
 特区は安倍政権が進める政策の一つで、9月20日の産業力競争会議の課題別会合で、安倍首相は「国家戦略特区は規制改革の突破口だ。実現する方向で検討してほしい」と発言している。特区で導入する解雇ルールや労働時間規制の緩和は、特区内にある開業5年以内の事業所や、外国人労働者が3割以上いる事業所を対象にする。


 自民党は「企業が世界で一番活動しやすい国」にするとして、日本経済再生・競争力強化基本法の制定など、産業投資立国と価値の創造拠点をめざし、今後5年間を集中改革期間と設定。総合特区制度を活用しながら、海外投資の促進と国内への還元、成長分野への集中的な政策投入などをあげる。また、科学技術を国家戦略として推進し、産業競争力会議を司令塔に機能を強化しようとしている。
 そんな突出した雇用改悪に政府内でも意見が対立している。「労働者の公平、企業の公正競争のため、労働規制は全国一律に」(厚労省)に対し、「雇用は特区になじまないとすると、およそ特区は成立しない」(ワーキンググループ)と反論している。それだけ、特区で雇用ルールの改悪を完全にしようとしている。就業労働者の95%を有期雇用にして、「いつでも雇用、いつでも解雇」を標準化しようとしている。
 解雇しやすい特区のポイントは、@ 「ずっと期間限定で雇う」が可能に、A解雇するルールを契約で決める、B一定の要件を満たせす労働者には、残業代を払わなくてもいい。

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