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2014.03.18
北海道 JR事故を考える十勝集会
人権無視が原因
北海道・十勝発



  
 相次ぐJR北海道の事故は大きな社会問題になっている。国鉄分割・民営化から27年を前に、「JR事故を考える十勝集会」が2月14日、帯広市の労働者会館で約100名が参加して開かれた。
 主催者の斉藤道俊弁護士は、「JR北海道の事故の本質的なもの、国鉄闘争の本質を深く理解しよう」と挨拶。そのなかで、JR採用差別事件の元帯広闘争団員の訴訟陳述書から「列車の安全運行を支える保線の仕事は、一人前になるには10年はかかると先輩から言われ努力してきた。JRに採用された人をみると国労を脱退した人、運転職場から保線職場に入り、保線の仕事も知らない人が国労組合員を排除した」というくだりを紹介した。
 また、斉藤弁護士は「最高裁での和解の時、JR各社に採用するよう要請したがJR各社は無視。この人権無視が事故につながっている。分割・民営化の目的を当時の中曽根首相は国労を潰し、総評を潰し、労働運動を解体して、お座敷をきれいにして新しい憲法を安置すると言った。まさにそういう状況にあり、何としてもこれを押し止めよう」と訴えた。


 次に、池本柳次北海道議会議員が「JR事故の真相究明と列車の安全運行を求める意見書」を採択した経緯を話した。そして高橋北海道知事に「JR北海道は民間会社ではなく特別独立行政法人『鉄道・運輸機構』が100%出資した特殊会社」と答弁させ、「国交大臣に直接会って新たな進言、要求をすべき」と総括質疑で進言し、「国はレール交換に200億円、車両の入れ替えと人の採用含めて300億円の金を用意する」ことになったと報告した。
 続いて『社会通信』発行人の滝野忠氏が「今、JR事故の本質から学ぶ」をテーマに講演。事故は「旧国鉄の分割・民営化でJR各社が発足した時点までさかのぼって病巣をえぐりださない限り、再発防止はおぼつかない」「現在の危機は出発点から無理に覆い隠してきた矛盾が一気に噴き出した結果」と書いた北海道新聞の社説など紹介、「JR北海道は安全に金を使えず儲けに突っ走るしかない会社として発足した」と話し、JR北海道の将来は「再国有化」しかないとの見方を示した。
 

 意見交換では元釧路闘争団の横田厚さんや、JR退職者の田中井実さんがJRの安全無視体質をうんだ経緯、実態を報告した。最後に平和運動フォーラム十勝ブロック協議会の斉藤克己議長が、「中曽根臨調での国鉄分割・民営化は鉄道の安全輸送や国民のためでなく、国労を弱体化させる一点でやられた。国策としての分割・民営化による事故だ、国の責任を明確にさせないと本質は見えてこない。本質に迫り、責任を取らせる声を広めよう」とまとめた。

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