けんり総行動実行委員会による第161回の東京総行動が10月1日取り組まれた。65歳雇い止め解雇裁判勝利を目指しての日本郵政への早朝の抗議行動を皮切りに、夕方のトヨタ東京本社への抗議行動まで雨天のなか、延べ250人が参加した。
厚労省、国交省へ抗議行動を行った後、2班に分かれ、一方は千代田区大手町のNTT持株会社を訪れた。
ここでは、1970年に番号案内の交換手として電電公社で働いていた木下孝子さんが1973年頸肩腕症候群(職業病)に罹病し、健康回復と治療の充実を求めていたが、1981年就業規則違反とした免職処分を強行され、それを不当として闘い続けてきた。現場集会を主催したNTT木下職業病闘争支援共闘会議はこの日、闘争終結の報告を行い、最後の抗議行動を行った。
集会では共闘会議の大森進議長(東京労組委員長)が、闘争終結の苦渋の決断を語り、支援の仲間への謝辞と闘い続けた当該本人・家族をねぎらった。
木下さんは34年を闘い抜き、志半ばで終結に至った悔しさを語りながら、家族ぐるみで闘ってこれた幸せを語った。引き続き闘いを支えてくれた他の争議団、仲間と共に闘いは続けると決意を述べた。そして最後になる会社への抗議に、中岡基明全労協事務局長、大森議長らと共に庁舎に入った。
共闘会議は以下の文書を明らかにした。
争議終結の報告(要旨)
共闘会議結成後は、多くの団体・個人の皆さまに会員となっていただき、財政・行動を支えていただくなか、NTTへの要請行動(東京総行動、東京争議団総行動、東部総行動、台東総行動、千代田総行動等)はもとより、社長に対する抗議はがき、NTT前座り込み行動、NTT周辺デモ、NTTに対する個人署名、NTT内4労組1団体による株主総会における情宣行動・発言、パンフ発行、NTT・厚労省への団体署名など、でき得る限りの行動に取り組みました。
しかしNTTは、「裁判で決着ずみ」との姿勢を崩そうとはせずこう着状態が続くなか、国会議員事務所との連携を図ることができ、厚労省・総務省交渉を実現させました。
この成果をNTTとの交渉へと発展させ、解決への道筋をたてようと努力しました。
NTTとの接触を図っていくなか、NTTから会うとの回答を得て、事務所秘書と交渉を持つに至りました。しかしNTT側からは、労務担当との接触は労務政策の根幹に関わることであり得ないとして、秘書室が対応しました。
その結果としては、NTTの対応は何ら変わることはないとの回答であった、と報告がありました。
その報告を受けて、木下さん本人と共闘会議幹事会における真摯な議論の結果、木下さんの無念さ、くやしさは相当なものと思いますが、34年間に亘り精一杯闘い続けてこれたのも皆さまのお蔭であり、これまでの闘いに悔いはなく終結との結論を出したいとの思いを受けて、共闘会議幹事会としてNTT木下争議を終結させる結論を出すに至りました。
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