京セラ株主総会が6月24日、京都市の京セラ本社ビルで開かれた。開会1時間前からは地域の“日本航空の不当解雇撤回をめざす京都支援共闘会議”や近畿や東京から参加したJAL不当解雇撤回原告団が、「JAL稲盛和夫名誉顧問(京セラ創業者)は直接交渉を行え」などの横断幕や「JAL不当解雇撤回」などのノボリ旗を掲げて京セラ百メートルビル前に居並ぶ。
京都支援共闘の梶川憲世話人(京都総評議長)から主催者挨拶を受け、JAL客乗原告団の鈴木圭子副団長から「稲盛名誉顧問と直接会って、断固勝利を勝ち取る」という力強い決意表明を受けた。
地元でたくさんの企業の不当労働行為と闘うJMITUの労組役員や、山科区のiWAiコーポレーションで300日近く籠城ストを貫徹して、不当解雇撤回を闘うきょうとユニオンから連帯挨拶も受けた。
街頭行動後、京セラ株主総会が開会した。
例によって司会兼執行議長兼事業報告兼議案提案が山口悟郎社長よりなされ、質疑に入った。社長は、「昨年は日本航空の問題が出されたが、日本航空の労使問題については別会社の問題であるのでくれぐれも発言をお断りする。質問は短く一人2点まで。会社役員個人の誹謗中傷はしてはならない」という条件をくどくど述べた。
おかげで、知らなかった人間まで含めて何か京セラはJALの労使問題と関係があると気づかせ、受け取った労組のビラをカバンから取り出す人も出てきた。すごい逆宣伝を社長はしてくれた。
筆者は、「インサイダー取引をした幹部社員が出たが、長年京セラフィロソフィという崇高な精神とかいう、稲盛経営哲学を学んだ幹部社員から十数万円を不当に得るための人間が出て来るのか」、不当解雇撤回CA原告団副団長の鈴木圭子さんが発言し、「銀座に(京セラが直営する人工宝石の)クレサンベール店について、もう一点は、議案書などを見ると京セラ社員の勤続年数が17・8年とあり、短くはないか?」と二点の質問。
社長からは、いかにもこの事業がバブルの産物による失敗事業で、しかし稲盛和夫直々の発案であるからしてやめるにやめれない事業であるようで、歯切れが悪いものであった。
6月28日のJALの副操縦士逮捕による欠航、故障による計一日3件の欠航、京セラ幹部によるインサイダー取引事件といい、稲盛経営哲学もかなり老朽化して陰りを帯びてきたようだ。(JAL闘争京都共闘・事務局次長・稲村守)
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