日本への遠征闘争まで組織した韓国サンケン労組の闘いは6月2日、整理解雇撤回、原職復帰を勝ち取った(本紙6月20日号既報)。同遠征団が6月16日、東京都内で開いた勝利報告会での謝辞の要旨を紹介する。
韓国サンケン支会 解職者復職闘争委員会共同議長キム・ウニョン
韓国サンケン労働組合を抹殺しようとするサンケン電気の陰謀のなか、ソウルでは国会前、日本大使館前、サンケン電気営業所前、労働省前、釜山の日本総領事館前……。各種機関を訪ね歩き、国会議員や道議、市議に会って支持と協力を要請し、市民に、国民に、韓国サンケンの解雇の不当性と労働者の無念な思いを訴え、連帯と支持をお願いする街宣活動を繰り広げました。
真夏には全身汗まみれになって、乾くと服には真っ白に塩が吹き、冬には手や足が凍りついてしまうほどでした。わが家を離れてテントで座り込みを続け、生産部門の労働者全員が解雇されてからはサンケン電気本社(埼玉県新座市)を訪ねる日本への遠征闘争へと赴きました。
青く澄みきった日本の空、韓国より寒くない日本とはいえ、親戚一人、友人一人いない日本で生活しながら闘うということは、あまりにも不安で恐ろしく、先行きの見通せない中で迷いの連続でした。韓国でも日本でも、勝てる闘いだと請け合ってくれる者は誰ひとりいませんでした。
日本での生活は、水も空気もまるで違うので毎日のように腹痛と下痢を繰り返し、全身に皮膚炎が生じるほどでした。連絡をくれる人もほとんどなく、まるで監禁、いえ、島流しにされたかのような気分にとらわれたこともあり、寂しさと人恋しさに流した涙、悲しく悔しく無念で歯軋りした日がどれほどあったでしょう……。
けれど私たちにとって大きな力となり、私たちを見守り、支えてくださった方々がいました。韓国の多くの同志の連帯と日本の多くの労働運動の仲間、活動家、政治家、市民運動にかかわる人々、そして一人ひとりの市民の連帯闘争は、私たちを守ってくれる力となりました。とくに6カ月以上に及ぶ日本での遠征闘争で感じたあたたかなふれあいと思いやり、深い愛情に包まれたことを思うと、今も感謝の涙があふれ声は詰まってしまいます。
韓国サンケンの同志を守り、家庭を守り、自分自身を守りたいその一心で乗りこんでいった遠征闘争によって、同志と家庭と自分自身とを守り抜きました。そして大きな愛を学びました。
テントでの座り込み269日、解雇から246日、日本への遠征闘争229日! 忘れえぬ仲間たち! ありがとうございます。
私たちの勝利は韓国サンケン支会の勝利ではなく、韓国の労働者と日本の数多くの仲間たちと私たちすべての勝利です。
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