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2018.04.17
地位確認を求めて提訴
日通が無期転換逃れ 非正規女性を雇止め
  労働契約法18条による有期労働者の無期転換の申し込み逃れに契約の更新を拒んだ日本通運を相手に、雇い止め無効の主張と将来の賃金の請求権を求めて、ユニオンお互いさまの組合員Y・Oさん(40歳)は4月2日、東京地裁に提訴した。
 提訴後に司法記者クラブで記者会見した。原告代理人の海渡雄一弁護士は、次のように述べた。この無期転換権行使ができるこの4月1日を迎える前に、有期契約更新拒否で無期転換逃れが多数現れることが懸念されていた。Oさんが直面した日通による雇い止めは明らかな労契法18条の規制免れだ。全国で今日から路頭に迷っている労働者が多くいるのではないだろうか。そういった意味でもこの提訴で不当な雇い止めを阻止していきたい。 
 日通当該支店の直近の雇用契約書には、「※2013年4月1日以降、最初に更新した雇用契約の始期から通算して5年を超えて更新することはない」という文言が埋め込まれ、対等な契約関係が保障されない公序良俗違反だとも言われている。明らかに不当だ。
 当事者のOさんは「日通で7年4カ月働いてきました。私は支店社員という呼び名で約1年単位で、毎年同じように契約更新されてきました。採用担当の課長からは「長く働ける」と言われました。正社員と同じ制服を着て、朝礼や全体会議にも出席し、講習会も正社員と同じでした。数カ月前にはまさか私がこんなことになるとは思いもしませんでしたが、今は強い意志で行動していこうと思います」と語った。
 2013年4月1日施行の労働契約法18条により有期契約の期間が5年を超えて更新された場合、有期契約労働者からの申し込みがあれば、無期労働契約に転換が認められる。

私は悔しいです
『長く働けるj と雷われて私は派遣の期間を含めて、日本通運で7年4か月働いてきました。直接雇用期間だけで、5年1 0か月となります。これだけ長く働いてきたのは、仕事の内容はもちろん、同僚も上司も環境も良く、ずっとこの会社にいたい、この会社で働きたいと思ったからにほかなりません。しかし、突然上司から20 1 8年3月末までで解雇すると言われた時は驚きを隠せませんでした。同じ雇用形態で働き続けている方がいて私も働き続けられると思っていたからです。私は支店社員という呼び名で、約l年単位で毎年同じように契約更新されました。最初に雇用される時には、採用担当の課長から「長く働ける」と言われ、正社員や契約社員とはまた別でl年毎に契約を繰り返す支店社員という雇用形態があるのだと思いました。

仕事は正社員と同じ
 業務も正社員と同様で倉庫事務として配送業者や庖舗への出荷データを作成したり、取引先と直接やり取りをしたり、請求書を作成したり、下請け業者に指示をしたりというものでした。正社員と同じ制服を着て、支店長朝礼や職場全体会議にも出席していました。講習会も正社員と同じでした。

契約を更新しないという契約を『書式が変わっただけだからJと説明
労働契約法の改正の後に、5回目の更新の際に、無期転換を逃れる為の会社が契約にしのばせた契約不更新の文言によって私は解雇(雇い止め)されてしまいました。しかし、会社から5回目以降の更新の際にも、はっきりとした説明はありませんでした。新しい契約書に書かれていた、201 8年3月末という期限について、なぜなのかと聞きましたが、会社の書式が変わっただけだ、不利益になるようなことはしないから、と説明されました。
 こんなことがあっていいのか、私は会社に対して腹が立ち悔しい思いでいっぱいになりました。全員無期雇用にしたら大変なことになってしまうといわれますが、無期転換できた方も職場にいます。とても不公平です。

どうしても働き続けたいから、会社を訴えます
 これまで、私は、正社員と同じように仕事を頑張り、職場の人達とも接してきました。私は、会社が雇い止めにすると間いてから、役所や職場の労働組合などあらゆる場所に相談に赴き、自分と会社との言い分を聞いてもらいましたが、その先々で私の言い分の方が一理あるとのことで、励まされるような気持ちで地域の労働組合にも入り、会社と交渉してきました。
 そして、途中何度も傷つくようなことを言われたり、私がまるで私が悪いかのような言い方をされたり、日通の社員とは思えないような扱いをされたり、心が挫けそうになりました。しかし、それでもどうしても働き続けたいという気持ちが強かったので、今回会社を訴えることに決めました。

雇い止めは死ねと言われているのも同然
 都合のいい時にだけ支庖社員と呼ばれて、正社員のように働かせて、都合が悪くなったら有期契約労働者として簡単に辞めさせる。しかも納得のいく説明もなしでは、編されたといっても過言じゃないと思います。
 私は、日本通運という会社が好きでこの先もず、っと働き続けるつもりでいました。私は、何年も、雇止めされるために働いてきたのではありません。自分と家族の生活を安定させるために働き続けてきたのです。私には小学生の子供がいて、資格取得の為に勉強をしている夫がいて、私が家計を預かっている身なのです。私が今ここでまた無職からやり直すわけには行かないのです。ここで雇い止めというのは、死ねと言われているのも同然と感じます。

貧窮状況から脱するため、私に対する雇用を保障してほしい
 数か月前にはまさか私がこんなことになるとは思いもしませんでしたが、今は強い意志で行動していこうと思います。この貧窮状況から脱するためにも、会社には私に対する雇用打ち切りを再検討し、私に対する雇用を保障してほしいと思います。

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