第6回労働運動研究討論集会が4月21、22日にかけて神奈川県箱根町で開かれた。そこでの分科会報告をする。
私たちは、「働き方」改革の焦点として「同一労働同一賃金」を求めてきた。その中心課題が「労働契約法20条裁判」であった。郵政、メトロコマース、長澤運輸等々である。裁判結果は承知のように「手当の差別是正は受け入れるが、本給差別は認める」と言うものだ。そんななかで今春闘、郵政問題が表面化した。
「同一労働同一賃金」の実態ー郵政ユニオン
20条裁判と「同一労働同一賃金」を柱に春闘を闘ってきたが、「日本郵政グループが、正社員のうち約5千人の住居手当を今年10月に廃止することがわかった。この手当は正社員にだけ支給されていて、非正社員との待遇格差が縮まることになる。『同一労働同一賃金』をめざす動きは広がりつつあるが、正社員の待遇を下げて格差の是正を図るのが異例だ」(朝日)。
総人件費は減らす。日本の最大企業の対応は、他企業にも広がるだろうことは自明。安倍内閣が非正規をなくすと言っていたがこれが実態だ。
地域共闘の努力
私たちもこの間、裁判だけでなく、地域共闘を基盤に非正規問題の可視化に努力してきた。兵庫は、「労働法制ひょうごアクション」、2013年安倍政権が発足し、労働法制の見直しが始まったころ発足した。改憲問題では「1000人委員会」等で集会などできるようになり一定活発になったが、労働分野ではそれができない。
そこで神戸地区労や兵庫ユニオンなどが呼びかけて『全国キャラバン実行委員会』の窓口となり、県内のターミナルや「西と東コース」で街宣をやりながら各自治体や県に意見書・要望書をもって申し入れ行動をすることになった。22日には兵庫労連との行動も。
千葉は平和フォーラムや平和センターがないところだか、毎年、非正規キャラバンをやってきた。今年は、中央の呼びかけがあり、それに連帯するため中央スローガンと同じチラシを作り、キャラバンを14団体で取組む。
徳島では、毎年地区労を中心に春闘講座をやってきた。「労働法制改悪とは何か、裁量労働制について」企画されたが、ちょうど「でたらめな実態調査」が明らかになった時なので3会場とも、150人の結集があった。今年は初めて中央や兵庫からの呼びかけを受け、四国キャラバンを取り組み、来年につなげたい。
群馬も、埼玉、栃木と北関東ユニオンネットを作り、毎年、県や労働局に申し入れを取り組んできた。地域再生のためにも全国一律の提起は重要で、徐々にではあるが県も我々の主張に理解を示すようになっている。
私たちの課題
20条問題も個々の闘いに終始している。全体を包む共闘組織ができていない。23日に全日建連帯が中心となり郵政ユニオン、長澤運輸、ハマキョウレックス、メトロコマースなど一堂に会すが、まだまだ「同一労働同一賃金」の本質が曝露しきれていないと思う。「働き方」改革NOを全国の声にすることが決定的。中央では、国会前の行動もあるが、各自治体からも全国一律を求める声を上げさせるためにもキャラバンの成功が重要だ。
1998年の労働基準法が改悪されようとしたとき、「北から南から労働者の声を国会へ」を合言葉に、『全国キャラバン運動』が文字通り各地をつなぎ展開された。2006年には『労働時間規制の撤廃に反対し、人間らしく働くための労働法制を求める共同アピール運動』が取り組まれ、第一次安倍内閣に「ホワイトカラーエグゼンプション」導入を断念させた。
いま再び労働法制大改悪に反対し、「8時間働けば誰でも生活できる社会」の実現ために、4月17日の「キックオフ集会」を皮切りに労組、市民運動、政党が連帯して『キャラバン』が北海道、沖縄から出発した。労働法制が終わったとしても次年度からは「最賃キャラバン」と合流することになるだろう。その意味で今回のキャラバンの意味は大きい。
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