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2018.07.17
中央最賃審始まる
暮らせる賃金保障を

  厚労相の諮問機関である中央最低賃金審議会は6月26日、2018年度の最低賃金改定に向けた議論を始めた。 

 17年度は全国平均で前年度比25円増の時給848円となったが、都市部と地方の格差は拡大した。格差是正は待ったなしで、地方で暮らせる「今すぐ1000円」の最低賃金の声が広がっている。

 安倍内閣は16年、「最低賃金を年率3%程度に引き上げ、全国加重平均で1000円を目指す」とする方針を決定しているが、スローガン倒れになっている。

 今、全国加重平均の最低賃金は時給848円、年収にすると176万円だ。これで人間らしい安定した生活が送れるはずがない。欧米諸国は、軒並み時給1000円を超えているのに、日本の最賃はきわめて低水準。

 なぜか。従来、最賃で働く人々は、学生アルバイト・主婦パートなど家計補助的な労働が多かった。しかし近年、非正規労働者が全体の4割になり、主に自分の収入で家計を維持する非正規労働者が増加した。にもかかわらず、最低賃金は低い水準のまま放置されてきたのだ。

 地域間格差も広がっている。最も高い東京は、時給958円。低いランクの8県(高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄) は737円。その差は221円にもなる。最低生計費の調査によると、25歳で月23?24万円が必要。これは全国変わらず、時給1500円が必要になる。

最賃審議会の問題点
 人材の流出、地方の疲弊を食い止めるためにも最賃を全国一律にする必要がある。@最低賃金をいますぐどこでも時給1000円に!A1日8時間労働で暮らせる最低賃金を!B時給1500円をめざす最低賃金大幅引き上げキャンペーンなど3つのスローガンを掲げる「2018実行委員会」は、最賃審議会の問題を追及している。 

 最賃は年に一度の中央、地方の最賃審議会で決定される。ここで問題なのが、審議会の閉鎖性だ。ほとんどの専門会議や議事録が非公開にされている。「専門部会の9名が決定され、労使がオープンの議論と当事者の声を聞きながら決定すべきだと指摘している。審議会はこれまでの経過から、17年度は引き上げの目安額を平均25円に決めた。18年度は26円を軸に議論が進む見込みになっている。

 今年も6月から7月にかけて中央最低賃金審議会が開かれる。「まともに生きていくには時給1500円が必要。隠蔽となれ合いで決められている最賃を本気で転換させよう」と労働者の声が上がっている。

           

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